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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
55/342

暗躍する影

ヴァイオレットがシェリアと距離を縮めようと四苦八苦していた一方、王宮内では密かに動いている者がいた

その者は国王であるアレクサンドロスに命じられ玉座の間へとやってきた

普段玉座の間に国王がいる時多くの騎士が護衛の為側についているが、今回はこれから話す内容を騎士達に聞かれぬよう出払ってもらっている



『報告に参りました国王様』

『ご苦労、経過報告を頼むぞ』

『ハッ、国王様が仰っていた対象をあの日から二十四時間気づかれぬよう偵察を行ってきましたが、あの者が怪しい行動をするような素振りは今のところ見られません』

『エリザの方とはどうだ』

『先日の一件から友人関係を築いたようですが学内ではお互い一定の距離を保っているようです』

『ふむ……エリザを襲撃したあの者達はどうなった?何か吐いたか?』



ヴァイオレットが倒し捕らえた二人の容疑者

あれ以降誰に雇われてエリザを狙ったのかと拷問し問いただそうとしたが、中々口を割らず苦戦していた



『その者達ですが、どうやら自害されたようです』

『なに?』

『担当官の証言によればその者達が口を割りかけたところで突然様子がおかしくなり自ら舌を噛みちぎって自害とのことです』

『様子がおかしく……何らかの魔法か?』

『恐らくは』

『対象が奴等を利用してエリザに近づいたという線は考えられないか?』

『その可能性も現時点ではなんとも。報告は以上になります』

『そうか……引き続き監視を怠るな』

『ハッ』



報告を済ませるとその者は玉座の間を去り任務に戻った

国王は一人になると一息ついて玉座にもたれかかった

こうして数日に一度対象の報告を聞いた後は、毎回十数年前に起きた出来事を思い出す



『ヴァイオレット・カラミティア……まさかあの者は……いやしかしあの時命を下した兵士は間違いなく滝に落としたと言っていたし嘘はついていなかった。仮に奇跡的に生きていたとしてもあんな場所で赤子一人が生きていけるはずがない』



自分の娘エリザと見間違えたあの時、平静を装ってはいたが内心は穏やかではなかった

あの顔を見た瞬間昔捨てた我が子の顔が脳裏に過ぎったのだから



『もし……万が一あの者が私の娘だとしたら……いや、たとえ娘でなかったとしても奴が呪われた"転生者"という可能性がある以上警戒を怠ってはいけない。少しでも変な行動を起こしたその時は始末せねば。国の……いや世界の為に』



そう呟く国王アレクサンドロスは出払ってもらっていた騎士達が戻ってくるといつもの公務へと戻っていった



ご拝読いただきありがとうございます!

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