ヴァイオレットの固有魔法
『ヴァイオレットさんも固有魔法を持っているんですか?』
『うんそうだよ、私のはねー』
『ちょっと待って下さい』
ヴァイオレットが自分の使う固有魔法を明かそうとすると、エリザがそれを制止し周囲を確認しだした
二人の話が誰にも聞かれていないことが分かるとコッソリと耳打ちしてきた
『あの、続きを聞きたいところですけどここで長話していると怪しまれるのであとで私の部屋に来てもらうことはできますか?』
『それもそうだね、オッケー』
『私はアレクともう少しここにいますしもうすぐ夕食の時間になりますからその後にしましょうか。お待ちしていますね』
仲良く話しているところを見られないよう一度解散してからエリザの部屋で落ち合うことに
浴場で汗を洗い流し食事をしていると、先程のエリザとの一部始終を見ていた者達の話のネタにされていた
『皆あなたと王女様の話で盛り上がってるみたいね』
『うーん』
『まぁ毎日相手してもらってる私からしたらあれ位はやると思ったけどね。それより夕飯食べ終わったら勉強するからね』
『あっごめんミーシャちゃん!私この後ちょっと予定があるから勉強はなしで!』
『ちょっと!逃げるんじゃないわよ!』
ミーシャに呼び止められつつも、それ振り切りヴァイオレットはエリザが待つ部屋へと向かう
部屋に入るところを誰にも見られないよう周囲をよく確認した後扉を叩くと、アレクが扉を開けて出迎えてくれた
『あれ?アレク君、ここは女子寮だよ?』
『エリザ様のお世話係として寮長には許可は貰っているのでご安心下さい』
『そういう問題なのかな……?』
『一見しっかりしているように見えてエリザ様は抜けているところがあるので私がこうして部屋の管理をしているんです』
『余計なことは喋らなくていいですよアレク』
『あっエリザちゃんさっきぶり~』
『お待ちしてましたヴァイオレットさん』
『遅くなっちゃってごめんね~』
『いえ、私も先程食事を終えて一息ついたところでしたから』
エリザとアレクに招かれ部屋に入る
ヴァイオレットの部屋と比べて主席に与えられる部屋はとても豪華な作りをしていて、とても寮生が使う部屋とは思えなかった
ヴァイオレットには完全に分不相応だが、これ以上の場所に普段住んでいるエリザだと全く違和感がない
ソファに座るよう促されるとアレクが温かいお茶を持ってくる
それをエリザと共に啜り一息ついてから訓練施設で話していた話題に入る
『それで先程のお話なんですが』
『あぁ固有魔法のことだっけ。本当だよ』
『どんな魔法か教えてもらってもいいですか?』
『私の固有魔法は二つあってね。模倣と|解析だよ』
『固有魔法が……二つ?』
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