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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
終幕
339/342

同盟宣言

エリザの合図と共に壇上へと上がっていったヴァイオレットとライオネル

それを見ていたクレイス王国の人達は、予想していなかった出来事に困惑した



『ここにいる二人を紹介させていただきます。まずは獣王国の獅子王ライオネル。そしてユーレシカ大陸を統べるカラミティの王ヴァイオレット・カラミティア』

『どうもー』



愛想を振りまきながら手を振るヴァイオレット、しかし反応は芳しくなかった

突然の登場で驚くのも無理はない。三年前の事はまだ皆の記憶に新しいだろう



『この大事な式典の場をお借りしこの二名をお呼びしたのには理由があります。それは現在友好を築いているリベラに加え、この二国とも同盟を結ぶことにしたからです』



エリザの言葉を聞き国民達は更にザワついた

以前から交流があったのは周知の事実。そしてヴァイオレットを見て頭の中に真っ先に思い浮かんだのはイグニスの姿だろう

イグニスがあれだけ大々的に娘と認定していた相手と同盟を結ぶことはメリットよりデメリットを感じる者は多く、大手を振って喜ぶ者は早々いない

エリザもそれは重々承知の上なはずだ



『皆さんもご存知の通り三年前、この王都は壊滅の危機に瀕しました。その際ここにいる二人に加えて従者達が防衛に協力をしてくれただけでなく魔動車など我が国の発展にも貢献してくれました……皆さんの懸念点は理解しているつもりです。ですが私はこの方達と共に更なる国の発展ができたらと思っています。今は中々信じることができないかと思いますがこれからの私達を見て判断して頂けないでしょうか』



エリザが国民達に向けて気持ちを明かすとこのタイミングでヴァイオレットが前に出る



『ヴァイオレットさんにもお言葉を頂きたいと思います』



王国の民は注目の人物から一体どんな言葉が飛んでくるのだろうと息を吞んで様子を窺っていた

長い間を空けた後ヴァイオレットが重い口を開いた



『えっとー……なんだっけ?』

『え……?』



思いもよらぬ言葉にヴァイオレットの言葉を聞いていた国民は呆けた顔をしていた

今日の日の為に予めセリフを用意していたが、エリザの演説を聞いていたら頭から抜けてしまっていた

だがこの場面で用意された言葉をただ述べるよりも今のありのままの言葉を届けた方がいい



『皆さん初めまして、ヴァイオレット・カラミティアです。今エリザちゃ……国王様が言った通り私達は同盟を結ぶことになったわけだけどそれを不安に思ってる人は今たくさんいると思う。私は自分の国を皆で楽しく笑い合えるようにしたいと思ってる。それはこの国の人達も一緒だと思う。だからお互いが手を取り合って協力すればきっともっと良くなると思う!……からこれから頑張るのでよろしくお願いします!』



ヴァイオレットが頭を下げるとそれに続いてライオネルも頭を下げた

とにかく言いたいことは言った。あとは態度と結果で示していくしかない



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