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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
終幕
338/342

宣誓

エリザが準備を終えると待機していたヴァイオレット達と共に馬車に乗って式典会場へと向かった

会場となる場所は代々王位継承をする際に使われる由緒ある場所であり、そこで前国王であるアレクサンドロスがエリザが次の王となることを宣言する段取りとなっている

それが終わったらエリザが国民達に宣誓をし、その後にパレードが行われる

ヴァイオレット達の出番はその宣誓の時にある



『エリザ様ー!』



エリザが乗っている王家の馬車が通ると国民達がエリザの名を呼んで手を振ってくる

それに対して車内からエリザが手を振り返すと黄色い声が飛び交った

本来パレードが行われるまではそう人は多くないのだが、今回は少しでも前でエリザを見ようという者達が事前に場所取りをしていて結構な人数となっていた

エリザの性格上手を振られると返さざるを得なくなり、式典会場に向かう時点で既に軽いパレード状態となっていた

国民から支持を得ているのはこういった誠実な面も大きいのだろう



『エリザ様、到着致しました』

『ありがとう』



会場に到着するとエリザとアレクサンドロスが隣り合う形で席に座り、ヴァイオレット達はエリザ達よりも先に来て待っていた貴族達が座っている場所に移動し共にその様子を見守った

少しして年老いた男性が箱を持って入ってくる

箱に入っているのは代々国王になった者が身につけてきた王冠

それをアレクサンドロスがエリザに受け渡す形となる



『これより王位継承の儀を執り行う。前国王であるアレクサンドロス様よりエリザ様へ王冠の譲渡を』



老人がそう言うと座っていた二人が前に出てきて、アレクサンドロスは王冠を手にしエリザは膝をついた

そして王冠がエリザの頭に収まると静観していた貴族達から拍手が沸き起こった



『頼んだぞエリザよ』

『はい、お父様』

『それでは新たにこの国の国王となりましたエリザ様、国王としての宣誓を国民達に向けてお願い致します』

『分かったわ』



この会場の二階は外に出ると先程通ってきた道が一望出来るようになっており、そこに待機している国民達に向けてエリザは宣誓することとなる

声を拡大する魔道具にエリザが近づき、国民達は静かに耳を傾けた



『クレイス王国の皆さん。この度新たな国王なったエリザ・ロードストです。まだ若輩者の身ではありますが、王としてこの国の民が豊かな生活を送れるよう尽力することをここに誓います』



王としてはかなり謙虚な態度での宣誓となったが、それでも国民は暖かい拍手でエリザを受け入れた



『そしてもう一つ……この場を借りて皆さんに伝えたいことがあります』



そう言った後にエリザから合図があったのでヴァイオレットは壇上へと向かった



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