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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
終幕
336/342

玉座での対面

着替えを済ませたヴァイオレット達はエリザのいる玉座の間へと足を向けた

玉座の間の前まで来るとその前で待機していた兵士に待つよう促され、中にいるエリザに確認を取りにいった



『エリザ様。カラミティのヴァイオレット様と獣王国のライオネル様が参りました』

『分かりました。通して下さい』



許可が下りると扉が開かれる

中へ進んでいくと玉座でエリザがヴァイオレット達を待ち構えていた



『皆さん、遠路はるばる王都までご足労をおかけしました』

『えっとぉ、お、お久しぶりですエリザ国王。ご機嫌……麗しゅう?』

『ふふっ……すみませんが少し外してもらえますか』

『し、しかし……』

『大丈夫です。ここにいる方々は皆私のお客人ですので。何かあったらまた呼びます』



脇で警護を行っていた兵士達にエリザがそう告げる

何かあった時の為に様子を見守るのが彼等の仕事だが、エリザにそう言われてしまっては従わざるを得ず兵士達は指示通り外へ出ていき、玉座の間にはヴァイオレット達とエリザだけとなった



『では改めて……お久しぶりですヴァイオレットさん。他の者はもういませんので普段通りの話し方で構いませんよ』

『ふぅ~、なんだかちゃんとした方がいいかなと思って変に緊張しちゃったよ。エリザちゃん久しぶり。元気にしてた?』

『えぇ、最近は式典の準備で色々と立て込んで大変でしたがこの通り元気です。本当は私も直接お出迎えしたかったのですが』

『仕方ないよ。なんたってエリザちゃんももうすぐ王様になるんだから』



そう、今回の式典にヴァイオレット達が呼ばれたのはエリザが次の王を任されたからである

前国王であるアレクサンドロスはまだ玉座を明け渡す程年老いたわけではないが、先の騒動により王国の民を失ってしまったことがきっかけとなってしまった

ただ民を守る為に行ってきたことが却って民を傷つける結果を招いてしまい、発端はミュゼルであっても原因の一端は自分にもあると感じたアレクサンドロスは熟考した結果責任を取るという形で王の座を退いた

その後釜となったのが長姉であるエリザ。まだ若輩の女性が一国の主となるのはこれまで前例のないことではあったが、エリザには民の些細な言葉でもしっかりと耳を傾けその事を真剣に考えられるという誠実さがある

その点を買ってアレクサンドロスはエリザを王に決め、具体的な王としての在り方等を徐々に教えていく運びとなった

それが約三年前、アレクサンドロスから教えを受け王としての器になったと認められたエリザは明日王位継承の式典を執り行う



『ヴァイオレットさん、ライオネルさん。明日の式典について擦り合わせをしたいので食事でもしながらゆっくりとお話しましょう。ミーシャさんやルージュさんニフリートさんも是非』

『そうしよそうしよ!いい匂いを嗅がされながら来たからお腹が空いちゃったよ』

『ほんと相変わらずね』



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