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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
327/342

戦いの後の王都

一連の騒動が終結した後、ヴァイオレット達はエリザの厚意によってクレイス王国に幾日か留まる形になった

食料等の物資が尽きかけていることや、ここまで殆ど休まずに戦い続けてきたことで疲弊している味方と怪我をしている者を休ませる為だ

とはいえ流石に全員を王都の中に入れるのは難しかったので、近隣にテントを張ってだが

そしてヴァイオレット達は物資を恵んで貰う代わりに壊れた城の建て直しを手伝うこととなった



『そこの瓦礫はあっちに運んでねー』

『全く、どうして我がこんな雑用をしなくてはならないのだ』

『経緯はどうあれ私達が壊しちゃったんだしこれくらいはしないと悪いでしょ』



壊れた城の瓦礫をニフリートに空から運んでもらい元気な者を選抜して地上から切り揃えた石材を運びこんでいく



『よぉヴァイオレット』

『ライオネル、そんなに重いの持ってもう傷は大丈夫なの?』

『心配すんな、大きな傷はお前に治してもらったからな。それに昔から傷の治りははえーんだ。ずっと寝てても体が訛っちまうからこうしてた方が調子が良くなるんだよ』



重傷を負っていたライオネルも復帰して人一倍働いている

あの後ライオネルはミーシャを連れ帰ろうとしたが、ミーシャ本人が王都に残ることを希望しエリザが国王に代わって謝罪をしたことにより娘の意志を尊重して酷い扱いを受けたことを許すことにした

事が済んだら切り替えも早く一緒に城の修復を手伝ってくれているというわけだ



『しかしこの視線は慣れねえなぁ』

『まぁ仕方ないよ、昨日の今日だし色々派手にやっちゃったからね。こうして王都に入れるのも本当は嫌かもねぇ』



エリザが国民達にヴァイオレット達がやって来た事情を話してくれたので理解はしてくれていると思うが、あんな事があった後では当然すんなりと受け入れてくれるはずもなくこちらを奇異の目で見ていた

特にヴァイオレットはイグニスがあんな事を言ったものだから兵士達からも畏怖の対象とされている

そんな事を話しながら石材を運んでいると、正面にオロオロと何かを探してる幼い少年がいるのを見つけた

周囲はヴァイオレット達に目がいってその少年に気がついていなかったので、ヴァイオレットは困っていそうな少年に声をかけた



『どうしたの?何か探し物?』

『あ……え、えっとお母さんとはぐれちゃって……』

『そっかそっか、じゃあ一緒に探してあげるよ。ライオネル、これあとお願いね』

『うぉっ!おい、病み上がりでこれはつれぇぞ!』

『動いてた方が調子がいいんでしょ。じゃあよろしく』

『そういう問題じゃ……っておい!』



後ろで何かを叫んでいるライオネルを無視しヴァイオレットと少年は母親を探しに向かった

まだ幼いせいか大人よりもヴァイオレットに対して少年はあまり恐怖を抱いていないようで、道中で色々と話をした



『そっか、じゃあ昨日王都に来たんだね』

『うん、そしたらおっきな竜がたくさん現れてびっくりした。一番前にいたのが竜の王様みたいで一番すごかった』

『そうなんだー。あれ実は私のお父さんなんだよー』

『そうなの!?じゃあお姉ちゃんは竜のお姫様だ!』

『お姫様って柄じゃないけどねぇ……』



エリザと比べたらこれほどお転婆な姫様はいないだろう

そうこう話しているうちに少年の母親を見つけたヴァイオレット

母親の方は怯えながら感謝を告げ、少年が手を振り去っていくのを見送った後ヴァイオレットは城の方へと向かった


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