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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
321/342

消滅

『うおおおお!!』

『休むな!魔力が尽きるまで撃ち続けろ!』

『なんとしてでも王都を守るんだ!』



エリザはヴァイオレット達の意図を汲み取り、隕石を食い止めている間にエリザが王都にいる兵士達をできるだけ集めて落ちてくる隕石に攻撃するよう指示を送った

その加勢の甲斐もあって隕石の落下速度は僅かに落ちた。だが僅か……未だ食い止めることが関の山で落下を止めることはできなかった



『くそっ!これでも止まらないのかよ!』

『何か他に手はないのか!』



全員が一丸となって隕石の破壊を試みようとしても隕石は王都をつぶそうと迫って来る

もう全員全力を出して攻撃している。これ以上の助力は望めない

一瞬でも気を緩めれば隕石を落としてしまうという状況の中、事態の悪化は止まることはなかった



『だ、めだ……これ以上は……』

『おい、踏ん張れ!あれが落ちたら皆死ぬんだぞ!』

『すまん……俺も、もう限界だ……!』



加勢に来てくれた兵士達が一人、また一人と魔力が尽き次々と倒れていった

ヴァイオレット達に比べれば兵士達の元々の魔力は非常に少ない

それなのに後先考えずに連発していたらこうなるのも無理はないだろう

兵士達だけではない。主力のニフリートももうすぐ魔力が尽きる

そうなったらヴァイオレット一人では止められず隕石が一気に落ちてくる



『皆さん頑張って下さい!あの隕石を防いで国民を守るのです!』



食い止めている間に一人でも国民を救おうと兵士達に檄を飛ばすエリザ

その言葉を受けて死力を尽くす兵士達、それでも次第に数は減っていきやがて攻撃を行っていた兵士達が全員魔力切れで倒れてしまった



『すまぬ主……我もう限界だ……』

『ニフリート……!』



遂にニフリートまでもが魔力を使い果たしてしまった

主力であるニフリートが欠けたことにより隕石は落下速度を上げて王都に迫ってくる

最早これまでか。ヴァイオレットはこのまま王都を守り続けるか、守ることを止めてエリザやミーシャ達だけでも抱えて逃げるかの二択に迫られた

刻一刻と隕石が迫り王都の民達はそれをただ眺めていることしかできなかった

皆が諦め死を覚悟した次の瞬間、王都より遥か遠くにある山岳地帯の方から熱線が飛んできて隕石を飲み込んだ



『な、なんだっ!?』



地上からでも肌が焼けてしまいそうな程の熱線はヴァイオレット達が束になっても破壊することができなかった隕石を破壊……いや跡形もなく消滅させてしまった



『隕石が……消えた……?』



諦めていた者達は眼前まで来ていた隕石が突然消滅したことに対して理解が追いつかずただその場で呆然と立ち尽くすことしかできなかった


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