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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
318/342

異変

ヴァイオレットの元に現れたエリザの弟ユリウスは、城を壊した犯人として捕らえようと話をする暇も与えずに攻撃を繰り出してきた



『おっと……ねぇユリウス君だったっけ?ちょっと私の話を聞いてくれないかな?』

『大罪人の話に耳を傾けるはずがないだろ馬鹿め!大人しく拘束させろ!貴様を捕まえ手柄を上げて俺様がこの国の王となるんだ!』



私欲ダダ漏れでヴァイオレットを殴り倒そうとするユリウス

魔法が扱えない代わりに身体能力が他の者よりも人一倍高いので動きはそこら辺の兵士よりも格段に高い

けれどそれはあくまで人間の範疇での話。ヴァイオレットにその攻撃が届くことはなかった



『くそっ!ちょこまかとすばしっこい奴め!』

『んーっこれはどうしたものか……』



この程度の相手であればどうとでもなるが、エリザの弟となると下手に手を出すことは出来ない

説得しようにも話を聞いてくれそうにもないしどう対処するべきか

ヴァイオレットが攻撃を躱しながら考えあぐねているとエリザがユリウスを止めに入ってきた



『待ちなさいユリウス!ヴァイオレットさんは私達を助けてくれたのです!』

『姉上!罪人を庇うというのか!この女を庇うということは姉上も同罪だぞ!』

『いやちょっと待って。エリザちゃんは関係ないよ。いきなりこの状況を見て混乱するのは分かるけどこれには事情があってね。確かにお城を壊したのは私なんだけどそれはあそこにいるミュゼル団長を止める為だったんだ。実はあの人が色々裏で動いてて王様と色んな人を……』

『黙れ!貴様の話はあとで牢にぶち込んでからいくらでも聞いてやる!』



こちらの言い分を分かってもらえるかという以前にこの男は自分の中でこうとなったら他人の話を聞こうともしてくれないのだろう

このままでは周りにいる他の兵士も扇動されて向かってくるかもしれない

そうなったら折角解決したと思った問題がまた元に戻ってしまう

エリザの弟とはいえこれ以上好き放題にさせておくと状況が悪化してしまうので大怪我させない程度に気絶させてしまおうかと思ったその刹那、とてつもない魔力の反応を感知しヴァイオレットは咄嗟に回避を行った



『今の感覚は……まさか……』



今感じた魔力は先程ミュゼルが使用した極大魔法と酷似していた

すぐさま複製体ミュゼルの骸がある場所に向かおうとするヴァイオレット

そこに再びユリウスが立ちはだかる



『何をしている!』

『ごめんだけどもう構ってる暇はないんだよ』

『はっ?へぶっ!』



今すぐミュゼルの元に行き確認しなければならないと判断したヴァイオレットは、行く手を阻んできたユリウスに容赦のない一発を浴びせて吹き飛ばしミュゼルの骸の元に向かった



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