表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
313/342

極大魔法の模倣

ミーシャとシェリアに争う人達を食い止めてもらっている間に、ヴァイオレットが操られた人達を解放する為に考えた方法を試すことにした

壁の先にいるミュゼルが壁を破壊してくるまでの時間は数十秒もないだろう

残された僅かな時間で初の試みに挑み、成功させなくてはいけないというのはかなりのプレッシャーがかかるだろうがやるしかない



『団長がやってた極大魔法……あれを模倣することができれば』



ヴァイオレットがやろうとしていること。それは魔法効果の上書き

ミュゼルが使った魔法と同じ魔法をかけることによって相手から指揮権を奪うという試みだ

これは相手の魔法を模倣できるヴァイオレットにしかできない芸当である

ただ問題なのは極大魔法という大勢の複製体ミュゼルを犠牲にしなくてはいけないほど魔力を大量消費する魔法なこと

その点に関してヴァイオレットの魔力量であれば問題はなかったが、それとは別にもう一つ問題があった

それは極大魔法という魔法を模倣するというイメージができないということ

魔法の解析は済み。あとは魔法を発動するだけなのだが、自分がこの魔法を使っている姿が想像することができなかった



『もっと具体的にイメージしなくちゃ』



魔法はいかにイメージを具現化できるかが鍵、未知の極大魔法となるとより強いイメージが必要となる

頭では理解していても実際に行動するとなるとズレが生じて魔法が不発に終わるかもしれないし、最悪暴発して状況を悪化させてしまうかもしれない

ヴァイオレットの固有魔法である解析は魔法の仕組みだけでなくそういった面も手助けしてくれるのだが、今の状態では失敗の方に結果が向かってしまう

確実に極大魔法を発動させるにはより鮮明なイメージが必要、その為にはもっと極大魔法を解析する必要がある



『どうやってもう一度解析をするか……そうだ!』



極大魔法を再び解析する為にヴァイオレットはルージュの元へ駆け寄った

魔法にかかって眠っているルージュに触れ解析することによって極大魔法の発動を確実なものとする



『あともう少し……』

『そうはさせないぞ』



あと僅かで解析が完璧なものになるというところで、ミュゼルが壁を破壊してこちらに向かってきた

せめてあと十秒時間があれば……そう思ったのも束の間、ミュゼルが攻撃を仕掛けてきた



『これで詰みだ』

『そうは……させねえよ!うらあああ!!』



ミュゼルの攻撃が届きかけたその時、大怪我で倒れていたライオネルが盾となりヴァイオレットを守った

全快時には程遠く全てを弾き返すことはできず何発も被弾してしまう。それでも血を吹き出しながら懸命にヴァイオレット達から先への攻撃を防いだ

その甲斐もあり十秒の時間を稼ぐことができた



『チッ……邪魔な獣め』

『ライオネルありがとう!いくよ!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ