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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
308/342

友の窮地

ミュゼルの猛攻をギリギリのところで耐え続けていたミーシャ達

ミーシャとシェリアが互いに二割ずつ、そして残りは全てライオネルが食い止めいていた

それに加えてライオネルは二人を庇いながら戦っていて、ミーシャ達もその事に気づいていた

しかしそれも限界を迎えようとしていた



『くっ!そろそろ本当にキツくなってきたな……おい!ミーシャとそこの嬢ちゃん!あとは俺に任せてお前達だけでも離脱しろ!』

『嫌!お父様を置いて逃げたりなんかできないわ!』

『わ、私も……最後まで戦います!』



自分達がライオネルの負担になっている事は重々承知している

それでも友の為にこの場から逃げることなどできなかった



『友との友情の為に戦いに臨むか。甘いのぉ、その甘さは戦場では命取りになるぞ』



ミーシャ達の想いを嘲笑うミュゼルはこれまでより一層の物量で攻撃を浴びせた

既に限界に近かったミーシャ達はその攻撃を防御し切ることができなくなった



『しまっ……!』

『ミーシャさん!』



防御をすり抜けてミュゼルの攻撃がミーシャにぶつかりかけたその時、ライオネルがすかさず現れてミーシャを身を挺して庇った



『ぐっ……!』

『お父様!』

『そこじゃ!』



ミーシャを庇ったライオネルに大きな怪我は見られなかったが、一瞬怯んだことでミュゼルがそこからここぞとばかりにライオネルを集中的に狙い始めた

集中砲火を浴びたライオネルはどうにか食い止めようと抗いはしたものの、やがて相手の勢いに押され数百にもなる攻撃を一気に食らってしまう



『そんなっ……!お父様!』

『娘を戦場になど連れてくるからこうなるのじゃ』



いかに強靭な肉体を持つライオネルでも一度に数百の攻撃を食らってしまってはひとたまりもない

ミーシャは力無く倒れるライオネルに必死に呼びかけるも全く返事がなかった



『チェックメイトじゃ。ここからお主等が妾に勝つ道はもうどこにも残されておらんよ』

『……っ!それでも……ヴァイオレットが目を覚ませば!』

『はぁ、くどいのぉ。もう面倒だからさっさと終わらせてしまおうかの』



ヴァイオレットが目を覚ますまで少しでも時間を稼いでやろうとここまで必死に抗ってきたがそれももう限界

挙句父親の足を引っ張ってしまった

自分にもっと力があればと悔やむミーシャ

ミュゼルはそんなミーシャを見ても眉一つ動かさず狙いを定めた



『死ね、親子共々葬ってくれる』

『ミーシャさん!』



シェリアの叫び声と共にミュゼルの魔法が放たれようとする

だが寸前で攻撃が中断される。その様子を見ていたミーシャはミュゼルの方に顔を向けると、ミュゼルはミーシャの先にいる者に視線を変えていた



『まさか……いや有り得ない。この魔法を自力で解けるはずなどない』



ミュゼルが向けている視線の先、そこには拘束から逃れようとしているヴァイオレットの姿があった



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