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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
304/342

極大魔法

強大な魔力の反応を感知したヴァイオレットがミュゼル達の方を見ると複数の魔法陣が展開されていた



『極大魔法……?初めて聞くけどやばそうな感じがするのは確かだね』

『あれだけ強大な魔力を帯びている魔法に気づけなかったとは』



あれを最初から発動されていたらすぐに気づく事ができただろう

たが効果の薄い弾幕攻撃を浴びせ続けられたことによってそれがカモフラージュになり、本命のあの極大魔法というものに気づく事ができなかった



『この魔法は発動までに少々時間が必要でな。お主らは特に魔力反応に敏感のようじゃからこっそりとやらせてもらったぞ。この極大魔法は妾一人では何度やっても失敗したが、この複製体を完成させたことによってようやく実現することができたんじゃ。まぁ一度発動させる為に十人以上を犠牲にしなくてはいけないんじゃがの』



ミュゼルの言葉を聞いて再度魔法陣の方に目を向けると、さっきまで魔法陣に魔力を込めていたであろう複製体のミュゼル達が周辺で倒れていた

どうやらあの極大魔法とやらは複製体の命を使うことによって発動することができるようだ

人の命を奪って自分の複製体を作っておきながらその命を簡単に捨てるミュゼルは、まるで消耗品のように命を扱っていた



『でもその魔法陣が発動する前に壊しちゃえばいい話だよね。発動はさせないよ!』



ヴァイオレットのただの勘でしかなかったが、あの極大魔法を発動させたらまずいと頭の中で警鐘が鳴っていた

複製体ミュゼル達の猛攻を掻い潜りながら魔法陣がある場所へと急接近し、目の前でやって来て魔法陣を破壊しようとした

それを見ていたミュゼルは不敵な笑みを浮かべてヴァイオレットにこう言い放った



『残念じゃがもう遅い。この魔法は既にお主らを捉えておる』



その言葉が合図かのように魔法陣が突如光りだし、地面から現れた鎖によってヴァイオレット達は身動きを封じられてしまった

ヴァイオレット達だけではない。仲間であったはずの兵士も同様に鎖で動きを封じられていた

極大魔法というものだから王都一帯を吹き飛ばすような危険な魔法かと思ったが、予想とは大きく異なっていた



『鎖?もしかしてこれが極大魔法?想像していたものより地味なんだね』

『もっと派手なのを期待していたか?だがこれはこれで効くと思うぞ?』

『それってどういう……うっ……』



この鎖に一体どんな効果があるのかと口にしようとした瞬間、ヴァイオレットはミュゼルとの会話の途中で急激な眠気に襲われてしまう

強制的に眠らせる類の魔法か。エリザの固有魔法やニフリートの暴食で無効化出来ないかと薄れゆく意識の中で視線を移すが、両者共に既に眠りに入ってしまっていた

それを見てヴァイオレットも意識が途切れた



『ようこそ夢幻牢獄へ』



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