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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
302/342

首謀者

エリザの前で自分が国王を刺したことを明かしたアレクは不敵な笑みを浮かべていた



『アレク……一体どうしてこんな事を……あなたはお父様に忠誠を誓っていたのではないのですか』

『すみませんねエリザ様、ですが忠誠を誓っていたのは私ではなく前のアレクですから』

『前の……?何を言ってるのアレク』

『この姿は仮初の姿、あなたの知っているアレクはもうこの世にはいませんよ』



目の前にいるアレクが何を言っているのかエリザには理解ができなかった

姿形はアレクそのものなのに、雰囲気や話している様子はエリザの知っているアレクではない

その違和感を前に困惑しているエリザを見てアレクは自らの正体を明かした



『この姿ではちゃんと話ができなさそうですね。アレクの正体は……こうなってたんじゃよ』

『ミュゼル団長……!』

『はっはっは、ここまでバレないようにアレクとやらを演じるのには苦労したぞ』

『一体いつから……』

『以前実技の試験で迷宮へと行った時に刺客に襲われたことがあったじゃろう。その時にな』

『まさかあの時の刺客を差し向けたのも』

『ご名答。妾が依頼したんじゃよ』



あの時点で既にアレクはミュゼルの手によって命を奪われていたことを知るエリザ

幼い頃から一緒にいたのに気づくことができなかった悔しさと、アレクの姿になりすまして悪事を働いていたミュゼルへの怒りという二つの感情が入り交じる

それでも感情に任せてミュゼルへ迫るようなことはせず冷静に問いただした



『ということはヴァイオレットさんを犯人に仕立て上げたのもあなたですか?』

『まぁの。最初にヴァイオレットが転生者かもしれないと勘づいたアレクサンドロスを上手いこと誘導したのじゃ。まぁその件に関しては妾が手を回さなくても遅かれ早かれ同じ結果になっていたと思うがな。あの者を手に入れれば最高傑作が作れると思ったんじゃがなー』

『……そこまでのことをして一体何が目的なのですか?』

『お主らは本当に聞きたがりじゃのぉ。妾の目的は……分からんな』

『分からない……?それで隠し通せると思っているのですか』

『別に隠しているつもりはないぞ。ただ妾の本体から情報共有がされてないから話すことができないのじゃ』



本体、外の光景を目にしていないエリザがこの言葉の意味をすぐに理解することはできなかった

しかしどちらにせよ目の前にいる相手を野放しにするわけにはいかない



『ミュゼル団長、あなたを拘束します。話はそれからゆっくり聞かせてもらいます』

『面白い。お主一人で妾を止められるかの?』


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