招待
王女様を狙う者達を撃退した後他の生徒達の捜索を行ったヴァイオレット達
奴等の言っていた通り殆どの生徒は気を失わされているだけで命に別状はなかった
ミーシャ達も少し怪我をしているだけで問題はない
全員の安全を確保した後はこの事を伝える為ヴァイオレットが王都で帰りを待っているケーニッヒに報告
救援部隊を派遣してもらったことでなんとか無事に生徒全員が王都へ帰還することができた
『いやぁなんとか無事に帰ってこれたねぇ。ミーシャちゃん大丈夫?』
『えぇ、私は大丈夫。けど悔しいわね……襲われた時何も出来なかったわ』
自分の無力さを痛感しあからさまに落ち込むミーシャ
ヴァイオレットにとっては取るに足らない相手ではあったが、あの者達は王女を殺害する為仕向けられた刺客
実戦経験の差が歴然なので仕方がないだろう
『突然襲われたらしょうがないと思うよ』
『でもヴァイオレットは傷一つなく対処できたじゃない』
『私はもう慣れっ子だからねぇ。昔は特訓でよく命を取られかけたなぁ』
『一体どんな生活してたらそんな頻繁に殺されそうになるのよ……』
『まぁ私が言いたいのはさ、誰だって始めは上手くいかないってこと。生きて帰れたんだから次同じような事にならないよう頑張って鍛えればいいんだよ』
無様でも何でも生きていれば次がある
大事なのは今回の出来事をどう活かすか
ヴァイオレットの言葉を受けたミーシャは少し考える素振りを見せると、暫くして口を開いた
『ヴァイオレット、あなたにお願いがあるの。私を鍛えてくれない?』
『私がミーシャちゃんを?』
『あなた頭はアレだけど戦闘面においては私なんかよりずっと上でしょう?今より強くなる為にはあなたの強さを知りたいの』
『私は別にそこまで強くないけど……でもミーシャちゃんの役に立てるなら頑張るよ!勉強教えてくれた借りもあるしね』
『決まりね、なら代わりに引き続きあなたの勉強を私が毎日見てあげるわ』
『えっ、それはもういいかな……もう勉強はこりごりだよぉ』
『何言ってるの。今回はこんな事があって来月に持ち越しになったけど試験は次もあるのよ』
たった数日だけでも頭がパンクになってしまいそうになるというのにそれを毎日だなんて想像しただけでも卒倒しそうになった
ミーシャと共に今後の特訓について色々話をしていると王女様とアレクを見つけたので声をかけた
『王女様ー!』
『ヴァイオレットさん、先程は助けて頂きありがとうございました』
『全然大したことはしてないよー。アレク君は怪我とかは大丈夫?』
『はい、私は敵と遭遇することはなかったので。窮地にエリザ様のお側に居らず不甲斐ない限りです……』
今回のことがあってから王女様の自身に対する態度が軟化したように感じたヴァイオレットは嬉しく思ったが、ここで一気に距離を詰めるとまた元に戻ってしまいそうになると思いグッと堪えた
『ヴァイオレットさん、私達は今回の件で報告も含めて暫く学校には行けなくなるでしょう』
『えっ、そうなの……?』
『そこでなんですがお礼も兼ねてあなたをお城に招待しようと思っているんですが』
『お城……お城!?』
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