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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
285/342

解放

地上で暴れていた魔動機竜を上空まで移動させ仲間達に危険が及ばない場所で戦うことを決めたヴァイオレット

放り投げた魔動機竜は体勢を立て直すとヴァイオレット目掛けてすぐさま攻撃を仕掛けてきた



『グオオオ!!』

『こうしてちゃんと見るのは初めてだけどやっぱり竜にそっくりなんだね』



攻撃を避けながら魔動機竜を観察するヴァイオレット

ルージュからもらった情報によれば、硬い外殻に覆われていて魔法を無効化する能力がある

弱点といえば関節部分にある僅かな隙間のみ

狙うとなると精密性が求められるが、ヴァイオレットはルージュの流星群(メテオシャワー)のように器用に操って弱点部位を狙うような真似はできない

だがそれをせずとも今のヴァイオレットは魔動機竜をねじ伏せるだけの力を備えている



『確かに動きも竜そっくりみたいだけど動きは単調だね。それだけ分かりやすかったらどうとでもなるよ』



反撃と言わんばかりにヴァイオレットは魔動機竜の目の前から消え、背後に回って殴打を繰り出した

その動きに一瞬遅れて魔動機竜は反応し、回避行動を行う

しかし間に合わずヴァイオレットによって片腕をもぎ取られる



『あれ、心臓部分を狙ったつもりなんだけど外しちゃったか。やっぱりまだ空中戦は慣れないな』



魔道機竜は心臓部分に格納されている魔力によって稼働していることは見てて分かった

なのでその部分を狙って攻撃をしたのだが、まだ翼の動かし方が未熟だったせいで破壊するには至らなかった

核が隠されている場所というだけあってその部分は最も硬くなっているようだが、それさえ破壊してしまえば魔動機竜は動けなくなる



『次は外さないよ』

『……ロス……』

『ん?』

『コ……ロス……!』

『声が聞こえる……?もしかしてあなたから?』



以前ルージュから話を聞いたことがあった。魔動機竜と戦っている時に怨念のような声が聞こえてきたと

そしてそれとは別に苦しんでいたとも聞いた……



『コ……ロス……!』

『あなたも苦しんでるんだね……大丈夫、今楽にしてあげるから』



長引かせるだけ魔動機竜の一部分として使われた竜を苦しませることとなる

それならせめて一撃で終わらせてあげよう



滅竜咆哮(ドラゴンスレイ)!』



竜人化したヴァイオレットはこれまでの何倍も力が増している

更に竜を殺すことに特化した咆哮

相手は魔法を無効化してしまうミスリル装甲……だがそれは永続ではなく一度に無効化するにも限界がある

そしてヴァイオレットの攻撃はそれをゆうに越えていた

防御体勢をとる魔動機竜、だがその行為に意味はなく無効化しきれず心臓ごと貫かれてしまった



『どうか安らかに眠って』



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