異変
ヴァイオレットのカウンターにより差し向けられたワイバーン騎兵の半数は地に落とした
ヴァイオレット達の軍は今のを無傷で乗り切った一方、ライオネル達の方にも同じ攻撃は迫っていた
『上空からワイバーンの攻撃来ます!』
『お前らは地上の敵をそのまま相手してろ。上は俺がどうにかしてやる』
地上の相手を配下に任せ、ライオネルはワイバーンの攻撃に備えた
『俺もいいところ見せねぇとなぁ』
『放てー!』
ライオネル達に向かってワイバーンの火球が一斉に放たれる
それに対しライオネルは火球に向かって大きく跳躍、そして全身の力を込めて振りかぶり火球を殴り始めた
『オラオラオラオラァ!』
ライオネルは自分の目の前にやって来た火球を殴る蹴るで打ち返し、それを別の火球に当てることによって相殺
ライオネルは魔力こそあるが魔法は得意ではなかった
そこで魔力を戦闘にどう活かすかを考えた時、自身の手足に魔力を集中させることによって魔法に触れられることを発見し、この芸当を可能にさせた
瞬く間に放たれた火球は相殺されていき、それを見た配下達は湧いた
『流石ですライオネル様!』
『見たか!うちらの大将を!』
『おい!俺はこのまま上の敵を蹴散らしてくる。下は任せるぞ!』
『ハッ!行くぞお前達!』
『おおおお!!!』
ライオネルはそのまま相手の火球を踏み台にしながらワイバーンの群れの元へと向かっていった
自分達の王の活躍を目の当たりにし士気は上昇、一層進行速度は上がっていく
『クソッ!あっちの軍も大した被害はなかったか』
『どうしましょう。魔動機竜を向かわせますか?』
『いや、あの密集の中にアレを出したら味方まで被害を受けてしまう。アレに細かい指示を送るのは難しいからな』
『ではどういたしましょう?』
勢いが止まることがないヴァイオレット達を見ながら次なる手を考える
その時、背後で待機していた魔動機竜が起動し動き出した
『なんだ?どうして魔動機竜が動いているんだ?まだ起動の指示は出していないぞ』
『我々は何もしていません……勝手に起動してしまったようです』
独りでに動き始めその様子を窺っていると魔道機竜がクロウド達の方に顔を向けてきた
すると突然クロウド達に対して攻撃を仕掛けてきた
『クロウド様!』
隣にいた部下が動きを察知してクロウドを突き飛ばす
その身代わりとして部下の男は攻撃をモロに食らい犠牲となってしまう
『くっ……!何故我々に攻撃を……』
『魔道機竜が言う事を聞きません……暴走しています!』