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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
277/342

共闘

『私達の船に?あ、これは魔動車って言って船とはちょっと違うんだけど』

『今のは単なる言葉のあやだ。ちと王都に用があってな。途中まで同行させてもらいたいんだ』



突然現れた獣王国からの参加要請

けれど出会って間もない相手にそんな事を言われても疑うのが当たり前

途中まで同行と言ってもどんな理由があるのか聞かなくてはならない



『理由を聞かせてもらっても?』

『俺の娘が王都の学校に通っていてな。強くなる為に広い世界を見て学ばなくちゃいけないって言って国を離れて一人で王都に行ったんだ。最初は心配していたが定期的に送られてきていた手紙で楽しくやっているそうだったからよかった。しかしある日その手紙が来なくなっちまったんだ。それでこっそり使いを出して王都にいる娘の様子を見に行かせたんだよ。そしたら……』



そこまで話すとライオネルは険しい顔になり口を閉じた

娘に何かあったのか。ヴァイオレットは次の言葉を待った



『……娘が幽閉されているって報告があったんだ』

『幽閉……何かしたってこと?』

『密偵からの話ではクレイス王国の王女を殺害しようとした犯罪者を庇ったとかで捕らえられたそうだ』

『えっ……』



その事を聞いたヴァイオレットの胸は跳ね上がった

今のでライオネルの娘というのが誰の事を指しているのか見当がついてしまったからだ



『まさかその子の名前って……ミーシャちゃん?』

『なに……?どうして俺の娘の名前を知ってるんだ?』

『……以前私がミーシャちゃんと同じ学校に通ってて王女殺害未遂の犯人として追われてるから』



瞬間ヴァイオレットに向けて鋭い殺気が放たれる

周囲の空気がピリつき今にも殴りかかってきそうな雰囲気だったが、ライオネルは握り締めていた拳を振り上げず踏みとどまった



『悪い。つい頭に血が上って我を忘れるとこほだった。うちの娘が庇うということはきっと何か理由があったはず。聞かせてもらえるか』

『うん』



ヴァイオレットはここに至るまでの経緯、そして自分達も王都を目指していることを明かした

一通り話し終えるとライオネルは意外にもすんなりと信じてくれた



『なるほどな、理解した。俺達もその戦いに加わろうじゃないか』

『私の話信じてくれるの?』

『俺の鼻は匂いだけじゃなく相手の言葉にも敏感でな。嘘ついてるかどうかなんてすぐに分かる。それに俺の娘が自分の身を危険に晒してまで庇う相手が悪い奴なわけがないだろ。どっちみち目的地も一緒なんだ。ここは共闘といこうじゃねぇか』

『ありがとう。心強いよ』



思わぬ出会いを果たしたヴァイオレット

ライオネル達獣王国を仲間にし改めて王都を目指した



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