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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
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力ずくで

獣王国からやって来た三人の獣人から王が会いたいと聞かされたヴァイオレット

何が目的かは分からない。だがそんな余裕ヴァイオレットにはあるはずもなかった



『悪いんだけど今はそれどころじゃないんだ』

『こちらの要求は飲めないと?』

『私達も目的があって急いでるんだ。どうしても会いたいっていうんならそっちから来てくれないかな?』

『王の方から出向けと?』



ヴァイオレットが申し出を断ると相手の声がワントーン低くなった

機嫌を悪くさせてしまったかもしれないが、いきなりやって来てついてこいと言われても敵の罠かもしれないし素直にハイと言えるわけがない



『そうか、なら仕方ないな』



狼姿の男獣人がそう言うと横にいた仲間二人に目配せをする

それが合図だったのか、豹柄の獣人がヴァイオレットに向かって攻撃を仕掛けてきた

だがその攻撃は察知していたアレスよって受け止められる



『いきなり襲いかかってくるなんて女の割に血の気の多い奴だな』

『へっ、女だからって舐めてると痛い目見るよ』



今ので火がついてしまった二人はそのまま魔動車が動いている状態で戦闘を始めてしまった

そしてそれは他の場所でも起こっていた



『ヴァイオレット様に危害を加えようとするなら容赦はしないぞ』

『いいねぇ。力比べといこうじゃないか』

『王からは力ずくでも連れてくるよう命じられている。邪魔をするなら排除させてもらうぞ』

『力ずくねぇ。できるもんならやってみな!』



アレスに続いてガオウ、マダラが三人の獣人と次々と戦闘を始めてしまった

こうなっては魔動車を止めるしかなくなってしまう



『ちょっとちょっと、今はこんな事やってる場合じゃないよ』

『相手がやる気っていうんだからこっちもやるしかないでしょう』

『話を聞いてもらえそうな感じじゃないですしここは任せて下され!』



三人は完全にやる気モード

こうなってしまっては強引にでもないと止めるのは難しいだろう



『なんだか妙な展開になってしまったな』

『うん……まぁ頃合いを見て止めに入るよ』



三人の実力は認めてはいるが相手もそれと張り合えるレベル、あの獣人達も中々やるようだ

肉薄している今の状態で無理に入っていったら怪我をさせてしまうかもしれないので、タイミングを見て止めることに



『どうした!素振りばっかしてて当てる気がないのか?』

『ふん、粋がっているの今の内だ』



豹柄の獣人は俊敏性を活かしアレスの攻撃を躱し翻弄しているが、徐々に捉え始めようしている



『そっちの拳とこっちの鱗、どちらが先に砕けるかな』

『我慢比べってか。面白い!』



熊の獣人の相手をしているマダラはというと防戦一方かに見えたが、硬い鱗で相手の重い一撃の連打を耐え消耗戦を繰り広げていた



『同族で互角にやり合える奴なんて久々だぜ!』

『互角とは心外だな。こちらが上ということをしっかりと教え込んでやる』



ガオウの方もバチバチにやり合っている

仲間達も自分達の族長を応援し見守っている

戦いになると熱の入り方が尋常でなくなってしまうのは獣人の性なのかもしれない



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