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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
272/342

竜の覇眼

ノルマン達は自らの攻撃によって壁が破壊されてしまった

いち早くヴァイオレット達の意図に気づいたノルマンは飛来してきた瓦礫の破片で軽傷を負いながらも回避することができた



『くっ……!』

『ノルマン様!ご無事ですか!』

『俺は大丈夫だ。被害の状況は?』

『ノルマン様がすぐ気づいたお陰で幸い死者は出ていないようです。ただ大半の者重傷を負ってしまっている状態です。それと今ので大砲がほぼ全壊……再充填は不可能です』



兵士の大半が戦闘不能になり、竜を倒す為の唯一の攻撃手段だった大砲が破壊されてしまっては対抗し得る術がなくなってしまった

戦う手段がない以上抵抗しても被害を大きくするだけ

ノルマンはヴァイオレット達をどう倒すかではなくどれだけ被害を抑えるかを考える方に切り替えた



『王都への報告は?』

『敵を発見した際にしたのが最後です』

『ならこの事を報告しに行くんだ。まともに動くことができるのはお前くらいだ。頼んだぞ』

『ハッ』



無傷だった部下を王都に報告に送り出し、ノルマンは上空から降りてくるヴァイオレット達に目を向けた



『あれがあっちの親玉か……』



竜の背中に乗っている女、あれが話に聞いていたヴァイオレット・カラミティア

直接の力は見ていないが一目見て分かる。二頭の竜もかなりの力を有しているというのにそれを従えているということはあれは竜と同等かそれ以上の力を有していて間違いない

ノルマンが相手の実力を測っていると大きい方の竜が口を開いた



『怪我をしているようだが全員生きているようだな。止めを刺すか』

『ま、待ってくれ。こちらにこれ以上戦う意志はない。我々はお前達に降伏する』



ノルマンが降伏宣言をする。それを聞いたニフリートはノルマンをひと睨みするとヴァイオレットの方に向き直った



『以前の我であれば問答無用で息の根を止めていたがどうする主?こいつら全員始末しておくか?』

『……いや、攻撃してくるなら容赦はしないつもりでいたけど無抵抗の相手を一方的にってのはねぇ。でもまぁ余計な事されたら面倒だし気絶させておいたほうがいいかもね』

『?なにをするつもりだ』



相手は重軽傷を負っている者ばかり。向かってくるのなら殺す覚悟はとうにできているが動けない相手を殺すのは虐殺と変わらない

とはいえ相手は兵士なので無力化しておく必要があった

そこでヴァイオレットは竜人化したことで使えるようになった技を試してみることにした



『竜の覇眼』

『な、なんだ……うっ!』



ヴァイオレットの目が鋭く光る

すると周りにいた意識を保っている兵士全員が突然気を失ってしまった

ノルマンも意識を失いそうだがなんとか踏み止まっている状態

ヴァイオレットが竜人化して身につけた技、竜の覇眼は相手を威圧する

実力の差がある者だと手を出さずとも意識を刈り取ることもできる



『貴様……一体何をした……!』

『一時的に気を失わせただけだよ。少ししたら目が覚めるでしょ。その間に通らせてもらうよ』

『くそっ……!』



気力でなんとか意識を保っていたノルマンだが、その言葉を最後に意識が途絶えた



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