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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
254/342

次なる手は

ヴァイオレット達が竜の国との同盟を果たした時から少し遡り、王都シャンデラでは騒ぎが起こっていた

カラミティへと出陣した兵士達が帰って来ず、帰ってきたのは魔法騎士団団長であるミュゼル一人のみ

その散々な結果を目の当たりにした人々は、カラミティが自国にとって脅威であるということを思い知らされた

そしてその件でミュゼルは国王に呼び出されていた

邂逅するや否や謁見の間では怒号が響き渡った



『相手大将の首を持って帰って来ることも出来ず魔法騎士団が壊滅とはどういうことだ!』

『いやぁ、面目ないのぉ。相手が思っていたよりも手強かったようで妾はあの竜もどきを連れて帰るのでやっとじゃったのだ。まさかあんなに呆気なくやられるとはのぉ。ハッハッハッ』



国の精鋭である騎士団が壊滅して怒りを露わにするアレクサンドロス

それに対してミュゼルは部下を失ったというのに謝罪はおろか終始他人事の様に話していて飄々としていた

その様子を見てアレクサンドロスは再び声を上げそうになったが、それをしたところで今の状況が変わることはないと思い留まり、一度大きく息を吐いて心を落ち着かせた



『おまけに転移陣までも破壊されたとなるとあちらに向かう手段がないではないか……お主の実力を以てすれば攻略も容易いと考えたから全指揮権を与えたというのに。今回の件どう責任を取るというのだ』

『責任のぉ……首でも落とせば気が済むか?』

『それで事が済めばそうするがな。魔法騎士団がいなくなった今、お主までいなくなってしまったら我が国は大打撃を負うこととなる。そうなれば均衡を保っていた他国との勢力が一気に傾いてしまうだろう』



現在どの国も大きな勢力差は無く均衡が保たれている為、軽いいざこざ等は起きても戦争までは行われていない

だがそれは犠牲が大きく、それに見合った成果を得ることができないからであり、その犠牲を減らして容易に国を落とせるのなら攻めようと考える国も出てくるかもしれない

かといってヴァイオレット達がいつ報復しに来るかも分からない、悠長なことはしている暇はなかった



『こうなってしまったら我が国だけで対処するのは困難だろう。気は進まないが他国の力を借りる他ない』

『大きな借りにならないとよいが』

『隣国のリベラであればユリウスを留学させているし円滑にいくはず。何より他人事ではないのだから協力はしてくれよう』



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