父親に続いて
『私の国と同盟?』
『あぁ、吾輩を王にするのならヴァイオレットの国と同盟を結ぶことが必須条件だ』
イグニスの言う同盟はヴァイオレット達にとって大変魅力的な話ではある
だがドラグニルに加勢を求めて一度断られているので、そう簡単に同盟を結ぶことを認められるとは思えなかった
『でも同盟っていうなら対等な関係を築くってことでしょ?他の竜達が私達みたいなのと同盟を結ぶことを良く思わないんじゃない?』
『奴らはひ弱だが馬鹿ではない。吾輩と戦っている姿を奴らも見ていただろうからヴァイオレットの力をそれなりに認めているはずだ』
確かにここに初めて来た時とイグニスと戦い竜人となった後とでは見る目が変わっていたのはなんとなく肌で感じていた
だからといって同盟国となれるかという話は別だろう
『うーん、でもこっちにばかり利点がありすぎて逆に竜の国側が同盟を結ぶ利点がないような……』
『ふん、いざという時は吾輩が力ずくで従えるまで』
『だからそういう無理矢理みたいな形じゃダメだってば!』
しかしこれを実現させることができたら非常に心強い
現状ヴァイオレットの国は孤立無援、今回の戦いに参戦してもらうことは難しくても竜の国が後ろ盾となってくれていたらこれ以上頼もしいことはないだろう
その為にはドラグニルと交渉しなければ
『ちょっとドラグニルさんに相談してみよう』
『別に奴の許可などいらんだろう。吾輩が王になれば済む話なのだから』
『そういうわけにはいかないよ。頼まれた身としてこういうのはキチンと話しておかないと』
『その必要はない』
『えっ……あっドラグニルさん!』
同盟の件を話してみようとドラグニルの元にしようしていたら、ドラグニルの方からこちらに来てくれていた
『話は粗方聞かせてもらった。先程の同盟という案飲もうではないか』
『えっ!いいんですか?』
『あぁ、但しこちらにも条件がある。イグニスの側近としてヘイヴルの他に側近をつけさせてもらうぞ』
『ふん、別に誰が側近につこうとどうでもいい。それより今言ったこと嘘とは言わせないぞ?』
『あら、あなたも自分の言葉には責任を持つのよ?』
『き、貴様は……』
ドラグニルの背後から聞き慣れた声で出てきた竜、その竜はヴァイオレットにとってイグニスと同じく大切な母バシリッサだった
『お母さん!』
『久しぶりねヴァイオレット』
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