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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
246/342

苦しみの中で

ヴァイオレットはドラグニルに教えてもらった地下の部屋へとやって来た

その道中でヴァイオレットの体には異変が起き始めていた



『はぁはぁ……』

(どうやらあの竜が言っていた副作用とかいうのが始まったみたいね)

『そう……みたい……』



体が熱くなっていってヴァイオレットからは蒸気が出てきている

鉛のように重くなっていって部屋に着いた途端倒れてしまう



(ちょっと本当に大丈夫なの?)

『うぅっ……!』



見兼ねたシオリが声をかけるがそれどころではないヴァイオレット

ヴァイオレットの精神世界にいるシオリには今のところ影響がない

けど声をかけること以外できることがないシオリはヴァイオレットの苦しんでいる姿をただ見ていることしかできなかった

最近は色々あって会話を控えていたが曲がりなりにもヴァイオレットは自分の半身のような存在

ヴァイオレットと一心同体である自分に何かできることはないかと考えた

そうしているとヴァイオレットが見えている方向とは反対の方から明かりが現れ始めた



『明かり……?』



これまでヴァイオレットの精神世界にいたが今までこんなことはなかった

流れ的に龍脈石と関係あるに違いないと感じたシオリは明かりがある方へと近づいてみることにした

明かりがある方に進むにつれて光の玉のようなものが次第に大きくなってくる

目の前までやって来るとその光の玉からはとてつもない力感じた



(精神世界まで侵入してくるなんて。多分これがあの竜が話してた自然エネルギーとかいうのなんだろうけど……これを一人でどうにかするのは難しそうね)



自然エネルギーは徐々に大きくなっていっている

このまま放置していたら言っていた通りヴァイオレットは竜化してしまうのだろう

本人が決めたことである以上口を出すつもりはない

だが竜化したその時自分はどうなってしまうのか?

ヴァイオレットのことだからそこまでは考えていなかったのだろう

もしこれが最後となるのなら……シオリは光の玉へと近づいていった



(いいわ。私が苦しみを和らげてあげるわ)



元々ヴァイオレットの中にいた自分が自然エネルギーと一体化することができればヴァイオレットの負担も減るはず

確証はないがそんな感じがした

その後どうなってしまうか見当もつかないが元々は消えようとしていた身、役に立って消えれるのなら本望だ

シオリが光の玉に触れた瞬間、体がないはずなのに自分の中に自然エネルギーが流れ込んでくるのが分かった

苦しいとかは特に感じない。ただ意識が少しずつ薄れていくような感覚はあった

それが何を意味するのか、シオリにはなんとなく理解できた



(さようなら、元気でね)



その言葉を最後にシオリの意識は途切れた



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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