表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
240/342

力の対価

『人の姿に戻れないって……どういうことですか?』

『我も実際でこの目で見たから真実は定かではないが、龍脈石の力を人間が取り込むと竜の姿になってしまうという話だそうだ』



強大な力を得る代償として人としての生を諦めなくてはいけないという

その話が本当であればドラグニルが言っていた龍脈石の力を取り込んだ人間達に多くの竜がやられてしまったという話も辻褄が合うような気がする

普通そんなリスクを聞かされれば殆どの人間は躊躇するだろうが、ヴァイオレットは躊躇うことなく答えた



『それくらいのことなら全然構いません』

『いいのか?二度と戻れなくなるかもしれないのだぞ』

『今いる私の町は私以外皆亜人だから偏見とかないですしそもそも人の姿にもそこまで未練はないというか……それに実を言うと竜の姿になるのって憧れてたりしてたんですよね』



ルージュの背中に乗っている時などヴァイオレットは翼をはためかせて自由に空を飛ぶことができたらどれだけ気持ちが良いだろうといつも考えていた

勿論エリザやミーシャ達の事など全く未練はないとは言い切れないが、今大切なのはカラミティにいる町の者達や仲間達の事

それが実現できるというのなら竜の姿でもなんでもなってやろうではないか



『そういうわけで全然迷いはないのでお願いします』

『覚悟ができているのならこちらがこれ以上問うのは野暮というものだな。では早速始めるとするか』



そう言うとドラグニルは龍脈石の方に手を伸ばすと、爪の先で龍脈石の一部を砕いてヴァイオレットに差し出してきた



『壊しちゃってよかったんですか?』

『欠片程度ならばすぐに元に戻るから問題はない』

『そうなんですか……えと、それでこれをどうすれば?』

『さっき言った通りだ。取り込む、つまり腹の中に入れるというだ』

『え、これを……?』



これまで様々な物を食べてきたヴァイオレットではあるが、流石に石を食べるという経験はなかった

竜の姿になるよりもそちらの方が躊躇してしまう位には嫌だった

だがそれをしないと力を得ることができないというのなら覚悟を決めるしかない

ゴクリと一度唾を飲み込んだ後意を決して石を口にしようとした瞬間、突然大きな音と同時に城が大きく揺れた



『ビックリした。凄い大きい音がしたけどなんだったんだろう……ってこの懐かしい感じの気配ってもしかして……』

『お主も気づいたか』



気配を察知したヴァイオレットは龍脈石を体内に取り込むことを一旦止めて地上へと向かった

そして地上に出るとそこには父イグニスの姿が

数年ぶりに再会を果たしたヴァイオレットは驚きと共に嬉しさが込み上げてきた



『随分と久しいなイグニスよ』

『ふん、クソ親父が……』



ご拝読いただきありがとうございます!

ブクマ、評価感想等々頂けると励みになります

隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ