今後の方針
仲間の復活を祝ったその翌日、ヴァイオレットは族長達を集めて会議を行った
議題は勿論王都シャンデラに対し今後どういった対応をするかというもの
徹底抗戦の構えというのは皆の総意ですぐに決まったが、こちらから攻めるべきか戦力をじっくりと補強して迎え撃つかという意見に分かれていた
『今はしっかりと地盤を固めて相手の攻撃に備えるべきだ』
『相手がまたいつ突然現れるか分からないんだぞ。悠長にやるよりこちらから仕掛けた方が得策だろう』
各々が様々な意見を出し合いどうするべきかと議論がされていく
その声に耳を傾けていたヴァイオレットに今度は全員の視線が向けられる
『ヴァイオレット様はどう考えておられますか?』
『そうだね……昨日も言ったけど私がここにいる以上敵は次も必ず別の手段を使ってこの町を攻めて来るのは間違いないよね。そう考えたら確かに完璧に準備をして迎え撃つのもいいと思うんだけどそれは相手にも準備をさせる期間を与えるということになる。そうしたらこっちにも多くの犠牲が出ちゃうと思うんから私としてはできるだけの準備をしてこっちから攻めた方がいいと思うんだよね』
『ですがあちらは我々よりも遥かに多い人口のはずです。そうすると目標に辿り着くまでにこちらの戦力が削られてしまうのでは』
『人口はね。でも私達が攻撃するのはあくまで王都にいる兵士達、それならそこまで戦力差はないでしょ。仮に市民が攻撃してきても手は出しちゃダメだよ。関係のない一般人にまで危害を加えたらあっちとやってることは変わらないからね』
それにこちらには空を飛べるルージュ達がいる
無駄な戦いをする必要なく温存した状態で王都に向かうことができるはずだ
ヴァイオレットの意見を聞き、再び話し合いをする族長達
それから暫くして出た答えはヴァイオレットの案を採用するものだった
『分かりました。私達はヴァイオレット様の決定に従います』
『ありがとう。それじゃあ王都に出立するのは一ヶ月後、それまでに人員を決めなくちゃなんだけど……少数精鋭で行こうと思うから志願してくれた人達の中から選抜するっていう感じでいいかな?』
『了解しました!』
戦える者達は大陸中から掻き集めたとして数万、その中から志願した者達を鍛え精鋭を選抜していくので数千人規模といったところか
その人選は族長達に任せることにして、ヴァイオレットはそれとは別に行動を起こすことにした
『さて、ニフリート。お願いがあるんだけど』
『ん?なんだ?』
『私を竜の国に連れて行ってくれないかな』
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