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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
229/342

自分の気持ちと皆の気持ち

亡くなった仲間達の復活によって沈んでいた空気から一転してカラミティは沸き、復活を祝ってお祭りが行われた

今回の騒動の事は皆思うところはあるだろうが、一旦それを忘れて飲んで食ってと大いに盛り上がった

ただその中で一人、素直に喜ぶことができないでいる人物がいた



『皆無事で良かった……』



皆が盛り上がっているのを遠くで眺めているヴァイオレット

結果的に全員生き残ることはできたが、今回の騒動の発端は自分にある

自分のせいでああなってしまったのにそれを忘れてはしゃぐなんてことはできなかった

それに今回のようなことがまた起きるかもしれない

その可能性を考えたらこのままここにいるべきではないのかもと考えていた

一人今後の事を考えていると肉を取りに行っていたルージュが戻ってくる



『ヴァイオレット肉持ってきたよー』

『ありがとう。随分たくさん持ってきたね』

『一杯食べて早く完全に回復しなくちゃね。ん?なんか浮かない顔してるね』

『うんちょっとね』

『僕に話してよ。友達じゃないか』

『そうだね……』



ヴァイオレットはルージュに自分の思いをそのまま口にした

ヴァイオレットにとっては今後を決める重大な話として打ち明けたが、一通り話を聞いたルージュの反応は軽いものだった



『なんだそんな事で悩んでたの?ヴァイオレットのせいだなんて思ってる人誰もいないと思うけど』

『でも私がいなければ皆が傷つくことはなかったし……』

『じゃあ皆に聞いてみようよ』

『えっ?』



ルージュに手を引かれヴァイオレットはまだ心の準備もできていないのに皆の元へと連れて行かれる



『あっ来た来た!おーいヴァイオレット様が来たぞー!』

『ヴァイオレット様皆に一言下さい!』

『えっ、一言って……』



壇上に立たされ全員の視線がヴァイオレットに集中する

逃げ場がなくなったヴァイオレットは仲間達に頭を下げた



『皆ごめん!』



期待していたものと違う突然の謝罪に一同呆然とする

全員何に対して謝れているか分からないといった様子だった



『あの人間達は私を狙ってここにやって来たの。そのせいで皆にも辛い思いをさせちゃった……だから皆にこれ以上迷惑かけないよう私はここから出て行こうと思ってて……』

『何を言っているんですか!誰もヴァイオレット様を迷惑だなんて思っていませんよ!』

『そうです!出ていくなんて言わないで下さい!』

『でもまたこういう事があるかもしれないし……』

『その時がくるならそれまでにもっと強くなってヴァイオレット様にそんな心配をさせないようにします!だからここに残って下さい!』



仲間達の引き止める声がひっきりなしに飛び交ってくる

この大陸の長として皆を引っ張っていこうという気持ちを忘れ、自分だけ楽になろうとこれだけ慕ってくれている仲間を置いていこうとしていた自分の考えがいかに浅はかだったかをヴァイオレットは思い知った



『皆ごめん……私が間違ってたよ。こんな事がもう二度と起きないよう皆で強くなろう!』

『おおおおお!!』

『今日は食べるぞー!』



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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