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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
223/342

死の淵

片翼を失い地に落ちたルージュ

意識はまだあり立ち上がろうとするが上手く立ち上がることが出来ない

魔動機竜との戦いで疲労している状態で全速力を出し、挙句かなりのダメージを食らってしまったのが決め手となってしまったようだ



『早く……立ち上がらないと……!』


『こうも上手くいくとはな』


『お人好しな竜で助かったぜ』



地を這うルージュの元に魔法騎士達と魔動機竜が寄ってきて包囲されてしまう

翼を失い機動力を失った今のルージュではこの状況から逃げることは非常に困難

だがそう簡単にやられるわけにはいかない

ルージュは残りの力を振り絞って竜の息吹を放った

瀕死だと思っていた竜からの攻撃で魔法騎士十数名が消し飛ばされる



『こいつ!まだこんな力を残していたのか!』

『馬鹿!手負いでも相手は竜だぞ!気を抜くのは確実に仕留めてからにしろ!魔道機竜!』



騎士の指示によって魔道機竜がルージュを踏みつけ身動きを取れないようにし、そこに残った魔法騎士が一斉に攻撃を浴びせていく

頑丈な鱗も何発も攻撃を受けていくうちに次第に剥がれていき大量の血が流れていった



『流石にこれだけくらわせればいかに竜といえどもう動けないだろう』

『また反撃されたら面倒だ。さっさと首を撥ねよう』



体力はもう残っておらず指一本動かすことができない

同族を救うなどと大見得を切っておいてこのザマである

強くなったと高を括ってこのような醜態を晒してしまっては他の竜に合わす顔がない



(最後にもう一度ヴァイオレットの笑った顔を見たかったな)



ルージュは死を覚悟した。死ぬと言ってもルージュの場合従魔召喚されているので正確に言えば異界に戻されることとなる

だがヴァイオレットとはもう二度と会うことができなくなる上、記憶は全て消されてしまう

それはルージュにとって死と同義である

だからといって相手が思い留まってくれるはずもない

剣を持った騎士が一歩、また一歩と自分の首を落としに向かってくる

眼前までやってきて大きく振りかぶる。最早これまでかとルージュは目を閉じ、これまでのヴァイオレットとの思い出を振り返り別れを告げようとした

だがいつまでも相手は経っても止めを刺してこようとしない

生殺しの状態で何をやっているのかと閉じていた目を開けると、止めを刺そうとしていた魔法騎士達の手は止まっていて別方向を見ていた

他の騎士も自分とは同じ方向を見ている

何をしているのかとルージュもそちらに視線を向けるとカラミティの方からこちらに向かってきているのが見えた



『ルージュ様を守れ!』

『身を呈して俺達を守ってくれたんだ!次は俺達の番だ!』



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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