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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
222/342

自分を犠牲にして

魔動機竜の弱点を見つけそれを執拗に狙い続けるルージュ

精密な攻撃を要求されるので魔力と体力の消費が激しかったが、そのお陰もあってか最初の時と比べて魔動機竜の動きが少し遅くなっていっていた



『よし、この調子でいけば倒せるぞ!』



倒し方が分かり勝ち筋が見えてきた

あとは根気との勝負だと気合いを入れてようとしていると、ルージュはある異変に気づく

先程まで自分を標的に放たれていた地上からの攻撃が止んでいて、その人間達がどこかに姿を消してしまっていた

余計な邪魔が入らず目の前の相手に集中できるのはいいが、相手にとったら敵側が有利な状況な時に加勢もなく姿を消してしまうというのはどうにも腑に落ちなかった


人間という生き物はずる賢い生き物だ

それに自分と戦わせているこの竜を破壊されるのは避けたいはず

この動きにもきっと何か理由があるはずだと魔動機竜と戦いながら考えていると、自分が今されては嫌なことを思いついた



『もしかして……!』



杞憂であればそれに越したことはない

だが予想が当たっていたらカラミティが危ない

カラミティに戻って確認しに行くか無視して目の前の相手に集中するか

ヴァイオレットの事を考えるならば答えは一つしかなかった



『ちょっとあっちに行ってろ!』



カラミティに戻るにも魔動機竜が近くにいては途中で背後を襲われるかもしれない

そこでルージュは通常の竜の息吹を魔動機竜との距離を離す為に放った

直接的なダメージは与えられずともその衝撃によって距離を作ることはできる

目論見通り距離を離すことができたルージュはカラミティへと戻った

その様子を見て魔動機竜も追跡を始めるが、蓄積されたダメージのせいでルージュに追いつくことは出来なかった

カラミティへ向かって暫く飛んでいるとルージュの予想は的中し、先程の魔法騎士の団体を発見した



『やっぱり……!あいつら……!』



相手は身体能力を上げて移動しているのか思っていた以上に進んでしまっており、今すぐにでもカラミティに向けて魔法を放とうとしている

あそこには負傷者がたくさんいる。そんな状態でまともに攻撃を食らってしまったらひとたまりもない

ルージュはどうにか食い止めようと更に速度を上げる



『放てー!』

『間に合え……!』



魔法発動を阻止することはできずカラミティに魔法の雨が降り注ぐ

そこへ全速力で向かっていたルージュが間一髪間に合う

しかし息吹を放つ暇もなく苦肉の策として翼を広げその身を持って全て受け切った



『うぐっ……!』



一発二発であればどうということはないが何十発も一度にくらってしまえば流石に無傷では済まない

数発防ぐことはできなかったがそこに負傷者はいないので問題ない

あとはこの人間達を始末するだけ。そのはずだったが、あとを追ってきていた魔道機竜の攻撃がルージュの片翼を貫いた



『がっ……!』



攻撃を受け反応が鈍っていたところに魔動機竜による息吹の追撃

片翼を失ったルージュに最早飛ぶ力は残されておらず無残に地に落ちていった



ご拝読いただきありがとうございます!

ブクマ、評価感想等々頂けると励みになります

隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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