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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
213/342

本隊到着

シャビールを連れてヴァイオレットは転移が行われている場所へと案内させると、敵が陣地を貼っていた場所から僅か百メートル程離れた場所にそれはあった



『つ、着いた。ここが俺達が転移してきた場所だ』

『ここが?特に変わった感じはしないけど』

『これを使って来たんだ』



シャビールは腰を下ろし石ころのような物を持ってヴァイオレットに見せた

それを受け取り確認してみると確かに石からは魔力の残滓を感じる

石には小さな魔法陣のようなものも書かれているしこの男が言っていることは嘘ではないだろう



『こんなのでここまで来たんだ』

『あ、あぁ。他にも同じようなのが周辺に設置されてるんだ』

『じゃあそれを集めて壊すから案内して。また敵が湧いてきたら面倒だし』

『わ、分かった』



そう言いながらヴァイオレットは手にした石を握り潰す

シャビールはヴァイオレットに言われるがまま残りの石がある場所へと向かう



(くそっ……本隊はまだ到着していないのか。このままじゃ王都に帰れなくなる。殺さないという約束を交わしたがこいつが約束を守る保証はどこにもない)



石を一つ破壊されてしまったものの、聞いた限りでは一度に転移できる人数が減るだけで転移自体はまだできるらしい

しかし石の数が半分を切ってしまうと転移はできなくなってしまう

仕掛けられている数は全部で十個、残りの石を壊される前にどうにかしてこのピンチを切り抜けようとシャビールは少しでも時間を稼ぐ為迷ったフリをした

低抗しようとした瞬間力を奪われ命も奪われる為、今はそれくらいが精一杯だった



『わ、悪い。実は正確な場所までは伝えられていなくてな。探すのに少し時間がかかりそうだ』

『ふぅん、なんでもいいけどあんまり時間をかけないでよ』

『わ、分かっている』



必死に探す素振りを見せ、あたかも自分は協力的だというのをアピールしつつ時間を伸ばす

騎士達を纏める隊長ともあろうものが滑稽に見えるだろうがそんなことを言っている余裕などなかった

全く見つからないのも怪しまれる為、シャビールは二つ目が置かれている場所へと向かった



『あった。これだ』

『そうみたいだね』

『待っていろ。すぐに残りの分も……』

『いや、もういいかな』



次の石を探すことに取り掛かろうとしたところでヴァイオレットが突然そんなことを言い出した

相手にとってこれは邪魔な存在なはず、意図が分からずシャビールは聞き返す



『もういい……とは?』

『こっちは急いでるのにこんなちまちまとやられたらまたあなたのお仲間がやってきちゃうでしょ。だからあとは一人でやるからあなたはもう用済み』



用済み、その言葉を聞いた途端悪寒が走る

自分はもう必要のない存在だから処分する。口にはしていないが間違いなくそういう意味が込められていると悟った



『い、いや待ってくれ。次はもっと早く探せるはずだ。本当だ、だから……』

『この辺りにあるのは分かってからさっきみたいにこの辺りを消し飛ばした手っ取り早いから』

『そんな……生かしてくれるって約束じゃ……』

『そんな約束本当にすると思ってたの?』



そんなことだろうとは思っていた

もうヴァイオレットの決定は覆らない

それなら従う理由もないので逃げるのが当然だろうが、目の前の相手から逃げれる気がこれっぽっちもしなかった

最早これまでかとその場に項垂れ死を覚悟したその時、辺りが光に包まれた



『き、来たか!』



自分がここにやってきた時と同じ光、紛れもなく王都からの増援がやってくる

それもただの兵士達ではなく王都の精鋭がだ

光が収縮していくにつれてその姿が明らかとなっていく

ヴァイオレットが最初に目にした人物は見覚えのある人だった



『久しぶりじゃのうヴァイオレット。元気にしとったか』



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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