急襲2
光る石を見つけて逃げてきた子供達はカラミティまで駆け足で戻ってきた
息を切らして辿り着くと、その様子を見ていた門番が声をかけてきた
『おいどうしたガキ共、そんなに慌てて』
『はぁはぁ……結界の外にあった石を拾ったらなんか急に光り出して……それで走って逃げてきたんだ』
『結界の外に出た?』
『バカ!』
『あっ……』
思わず言ってはいけないことを口にしてしまい口を覆う子供
それを見て門番は一つ溜め息をついた後子供達に異常がないか確認した
『怪我は……してないみたいだな。全く、ある程度安全になったからってふざけてると痛い目に遭うぞ』
『ごめんなさい……』
『今回は内緒にしといてやる。だが次同じような真似をしたらお前達の親に報告するからな』
『はーい』
門番に叱られた子供達は流石に反省したのか頭を下げてから町の中へと消えていった
その一連のやり取りを警備隊の者達が高台で眺めていた
『あいつら、何か怒られてたな』
『大方結界の外にでも出て何かやらかしたんだろ。それにしても暇だなー』
『トランプでもするか?』
『おっいいね』
『おいお前達、いくら暇だからといって仕事中に遊ぶのはやめろ』
『真面目だなぁ、ずっと肩に力入れてても疲れるしもうちょい気楽にいこうぜ』
『全く……』
仕事中に遊びだしてしまう警備の仲間に呆れ自分の配置場所に戻ろうとしていると、警備隊の一人が森の奥で何かが光っているのを発見した
『ん?なんだあの光の柱のようなものは』
『どうしたー?』
『いやあそこで何か妙な光が……ほら、また光ったぞ。これは報告した方がよさそうだ』
『本当だな。ったくこれからだってのに……ちょっと行ってくる』
一人が謎の光を報告しに行っている間にも謎の光は次第に増えていき光の柱となっていく
しかし暫くするとその光は消えてしまった
『消えた……なんだったんだ?』
『お、おいあれ見ろ!』
光っていた方向から現れたのは武装した兵士、それも一人や二人ではなく大軍での出現だった
『なんだあいつら……それにこの匂いは人間か?こんな大勢の人間が一体どこからやって来たんだ?お前何か聞いてるか?』
『何も聞いていないな。ヴァイオレット様の知り合いとかか?』
『だとしてもあんな大勢で武装して来るのは不自然だろ。とにかく警告するぞ』
なんの前触れもなく突如現れた人間に驚きつつも警告を行おうとしたその瞬間、先頭を歩いていた人間達が弓を構えてこちらに一斉射撃をしてきた
壁の上にいた警備隊はそれを見て慌てて行動を取った
『避けろ!!』
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