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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
竜魔決戦編
201/342

急襲

『ほらこっちだよー!』

『待ってよー!』



のどかな森の中に響き渡る子供達の声

カラミティの外で町から離れている場所ではあるが、道の舗装がされて以降は魔物の侵入を防ぐ為にヴァイオレットが契約している精霊シルフと共に魔物が近寄って来ることが出来ない特殊な結界を張り巡らした為、今では子供だけでも安心してそとに出られるようになった

とはいえ結界の有効範囲外に出てしまうと魔物に襲われてしまう可能性があり注意が必要なのでそこには注意書きの看板が置かれてある

普段は子供達もその看板を出ないよう気をつけていたが、その日はいつもよりも遊びが盛り上がってしまった



『ほらほら、捕まえられるもんなら捕まえてみろー!』

『ね、ねえ。これ以上奥に行ったらまずいよ』

『なにビビってるんだよ。何も出やしないって』

『そんな事言っても……わっ!』



魔物が現れるかもしれないと怯えながら周りを見て歩いていると地面にあった石ころに躓いて転んでしまう

先に進んでいたもう一人もそれを見て戻ってくる



『いててて……』

『何やってんだよどん臭いな』

『ご、ごめん……ん?なんだろうこの石』

『どうした?なんだこの石、見た事ない絵が書いてあるな』



子供達が見つけた石には丸い円の中に六芒星の絵が書かれていた



『誰かが石に書いたやつかな』

『今はヴァイオレット様が作ってくれた紙があるのになぁ。そんなのいいからさっさと行こうぜ』



他の子供達が書いたラクガキだと思いその場に捨てようとする

すると次の瞬間、突然持っていた石が光り出した



『え!?この石なんか光り出したよ!』

『爆発するかもしれないぞ!危ないから早く捨てろ!逃げるぞ!』



石が光り出したことで危険を感じた子供は石を遠くに放り投げすぐさまその場を離れた

子供達がいなくなった後も光り続ける石、それは二つ、三つと増えていきやがてその石の光が合わさり光の柱が完成する

するとその円の中から何者かが徐々に姿を現す

それは先程まで王都にいた兵士の軍勢だった



『周囲に異常はなし……後続を待ちつつ突撃の準備をするぞ』



子供達が見つけた光る石、それはアレクが森に設置しておいたのは転送石という魔道具だった

転送石は受信側と送信側の二つの石に分かれており、片方に魔力に込めることで反応しその円の中にいる者達を転送させることができる

一度に転送できる人数には制限がある為全軍を転送するには何度か繰り返さないといけない

それでも魔力の消費のみで体力を消耗せず長距離移動が出来るという点は画期的な発明であった

何度か転送が繰り返されやがて準備が整うと、指揮官の号令がかかる



『突撃ー!』



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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