質問攻め
ミーシャとの間にわだかまりが無くなり仲直りすることができたヴァイオレットは、翌日アレクと約束していたとおり他の町を見せる為エリザ達と共に出かけていた
『お二人共仲直りすることができてよかったですね』
『うん、皆嫌な態度とっちゃってごめんね』
『ミーシャさんから話は聞きました。ミーシャさんのそっくりさんがヴァイオレットさんのことを騙したんですよね』
『うん、今思い返してみてもあれはミーシャちゃんだったよ』
ヴァイオレットは自分の勘違いではないことを力説する
エリザは顎に手を当て考える素振りを見せると暫くして考えていた事を口にした
『ミーシャさんの姿をしてヴァイオレットさんに近づいたということは少なくとも二人が親しいことを知っている人物なのではないでしょうか』
『確かに……ということは犯人は学校関係者の可能性が高いのかもしれないわね』
『そもそも特殊な変身の魔法を使える人なんて限られてくるでしょうからそこから洗い出していけばすぐ見つかるかもしれないですね』
皆で姿を偽ってヴァイオレットに接触してきた相手は誰なのかと考えていると、アレクが下の方に指を差してヴァイオレットに尋ねてきた
『ヴァイオレットさん、あれはなんですか?乗り物のように見えますが』
『ん?あぁあれは列車だよ』
『列車?何それ』
『私もよくは分かってないんだけど魔石を使ってこの大陸中を楽に移動出来るようにしようとしてるんだ』
『あんな大きい物を魔石で?ちゃんと動くの?』
『一応試しにあれのちっちゃい版を作ってみんだけどその時は成功したから大きいのでも動くと思うんだ。ノームっていう手先な器用な人達がいるんだけどその人達に任せてるんだ』
前世のシオリの記憶から生み出した物でこの世界には存在していなかったものなので当然全員が物珍しい顔で未完成の列車を見つめる
そこへアレクが更に問いかけてくる
『あちらの窪みはなんですか?』
『あれは町と町を繋げる道の舗装を皆で頑張ってるんだよ。あの列車ができるまではまだまだかかりそうだし近い場所は徒歩や馬車で移動した方が早いしね』
『なるほど、村や町は全部でいくつあるんですか?具体的にこの大陸の人口はどれくらいの数になるんでしょう』
『えっとごめん、そこまでは分からないけど……』
村や町の事や人口についてやけに詳しく聞いてくるアレク
困った顔でヴァイオレットが見てくると、アレクは我に返り頭を下げてくる
『すみません、つい気になって色々と聞いてしまいました』
『あ、うん。別に大丈夫だよ。もうすぐ町に着くから』
反省したのかその後は質問を控え大人しくヴァイオレットの案内に従うアレク
町の人達にも歓迎されエリザ達は滞りなく町巡りを終えた
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