仲直り
ミーシャと話をすることになったヴァイオレット
森の中を歩きながら話をしようと思っていたが、話をしたいと言ってきたミーシャが中々話を切り出してこなかった
気まずい空気が漂う中ヴァイオレットがミーシャの様子をチラチラと窺っていると、暫くしてようやくミーシャが口を開いた
『昨日話してたことなんだけど……』
『うん……』
『私があなたのこと友達じゃないとかどうとか言ってたやつ。ヴァイオレットに言われてからずっと考えてたけど私本当に身に覚えがないのよ。でもヴァイオレットの様子からして嘘を言っているようにも見えなかったし……だからその事について色々聞かせて欲しくて』
そう話すミーシャの方を振り返るとその表情は真剣そのもの
自分がヴァイオレットに何をしたのか本当に知らないといった顔をしている
あの時の事を思い出すのはヴァイオレットにとっては辛いものだが、前に進むには必要な事だと思うことにしてミーシャにミーシャと話した時の内容を明かした
『……って感じ逃げようとした時にミーシャちゃんが私の前に現れてその時にさっき言ったみたいな言葉を言われたんだよ』
脱獄した際にミーシャと遭遇したこと、そして王都を抜ける道だと教えられ言われるがままについていった挙句裏切られたことをヴァイオレットが話す
その間ミーシャはずっと自分の話のはずなのに全て自分の記憶にない話を聞かされて困惑していた
そしてヴァイオレットが話し終えるとすかさずミーシャはその日自分がどこで何をしていたかを明かした
『ちょっと待って。私その時は寮でシェリアと一緒にいたわよ』
『えっ?』
『本当よ、私達は他の生徒よりヴァイオレットと深く関わっていたから学校でも監視役の人がいて行動が制限されていたの。シェリアに確認してもらってもいいわ』
ミーシャ達はエリザから共にヴァイオレットの捜索を頼まれるまで学校と寮を行き来することのみ許可され、その間も監視がついてたせいもあってヴァイオレットに会いにいくなんてことは不可能であったと言う
だがヴァイオレットの前に現れたのは間違いなくミーシャだったので余計頭が混乱する事態になってしまった
『どういうこと……?私に会いに来たのはミーシャちゃんで、だけどそれはミーシャちゃんじゃなくて……』
『それって本当に私だったの?』
『見間違えるわけないよ。姿も声もそのまんまミーシャちゃんだったもん』
『……エリザ様の件といい誰かがあなたを陥れようとしているのかも』
『誰かって?』
『そこまでは分からないわ。けどこれであなたが会ったのは私じゃないって分かってくれた?』
『……ミーシャちゃんは私の事嫌いじゃない?』
『当たり前でしょ。私達はその……友達でしょ』
『……!ミーシャちゃん!』
照れているのか顔を背けながらそう告げてくるミーシャ
それに対してヴァイオレットはこれまで悩み苦しんでいたのを発散するかのようにミーシャに飛びつき熱い抱擁を交わした
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