滞在
エリザ達をカラミティに連れてきたヴァイオレットは、到着するとまず仲間達に事情を説明し空いている家を使ってもらうことにした
たくさんの亜人を前にエリザ達は呆気に取られていた
『話では聞いていましたが……本当に様々な人種と暮らしているんですね』
『うん、まだ発展途中だけどここの他にも暮らしている仲間達がいっぱいいるんだ』
『す、凄いですね……きゃっ！』
話している最中に後ろから子供達が抱きついてきてシェリアが驚く
『アルデ！アルデ！』
『えっ？えっ？な、なんですか？』
子供達が服を引っ張って話しかけてくるが何を言っているか分からず困惑する
そこへヴァイオレットが通訳に入る
『私以外の人間が珍しいから遊んで欲しいみたい』
『言葉が分かるんですね』
『まぁね』
『分かりました、じゃあちょっとだけ遊びましょうか』
子供達に遊んでくれることを伝えるとエリザ達は子供達に嬉しそうに引っ張られて消えていった
その後を追うアレクがヴァイオレットに語りかけてきた
『ヴァイオレットさん、もしよければあとで他の場所も紹介してくれませんか？興味がありまして』
『え？う、うん別にいいけど……』
『ありがとうございます。それでは子供達と遊んできますね』
エリザの傍らにいつもいたが学校等ではエリザに話しかけることができなかったのでアレクと話したのも片手で数える程
そこまで親しいわけではないがエリザの忠臣で無下にもできず、ヴァイオレットは他の場所を見せる約束をした
それからエリザ達は子供達の遊びに付き合われる羽目になり、気づけば日が暮れるまで遊んでしまっていた
『ちょっとのつもりでしたが丸一日遊んでしまいましたね』
『こ、子供の体力って凄いですね……』
『でも皆喜んでたよ。遊んでくれてありがとうね。お腹空いたと思うから今料理持ってきてもらうから』
『何から何までありがとうございます』
食料も大分少なくなってきて心許ない状態だったエリザ達にとって久しぶりにまともな食事にありつくことができる
子供達と遊んでいた分余計にお腹を空かせていたので料理がやって来るのを今か今かと待ちわびていた
『お待たせ、いっぱい作ってもらったからたくさん食べてね』
『いただきます……ん！このお肉美味しいですね。これは何のお肉ですか？』
『それは確かジャイアントディアーの肉かな肉肉しくて美味しいよね』
『へぇージャイアントディアー……ジャイアントディアー？』
何の肉か聞いた途端全員の手が一瞬止まる
魔物の肉を食べてしまったという事実を目の当たりにし困惑してしまう
しかし実際に食べた魔物の肉は非常に美味な上空腹だったエリザ達は魔物の肉ということを無理矢理忘れてお腹の中に入れていった
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