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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
183/342

仲間達の気遣い

エリザ達の元を去った後、ヴァイオレットはカラミティに戻ってきてすぐ自室に引き籠った

自分の胸に手を当てるとまだ鼓動が収まっていなかった



『大丈夫?ヴァイオレット』

『ありがとう……ちょっと一人にして……』

『分かった……ヴァイオレットが好きな肉用意しておくからあとで来てね』



ヴァイオレットにそれだけ伝えてルージュは部屋を出て行った

静まり返った部屋でベッドにうつ伏せになりエリザ達と再会した時の事を思い返すヴァイオレット

明確に友人を拒絶したのはこれが初めてのことだったので罪悪感に苛まれた

それでもあそこで受け入れられるほどヴァイオレットの傷は浅くはなかった



『はぁ……』

(もっとちゃんと話を聞いてあげてもよかったんじゃない?)

『そうかもしれないけど……あの時はあぁしないとおかしくなりそうだったんだもん……』

(あの人達のことだからそのうちここにやってくるわよ)

『分かってる……』



シオリの言葉にもおざなりに答えそれから暫くヴァイオレットは塞ぎ込む

だが時間が経ち夜になると次第にお腹が空いてくる

空腹には抗うことができないヴァイオレットはルージュが夕食を用意してくれていることを思い出し、ベッドから起き上がり部屋を出る

扉を開け外に出るとヴァイオレットは驚かされた。ヴァイオレットの家の前に何故か多くの仲間達がいたからだ



『おぉヴァイオレット様』

『えっ?何?皆集まってどうしたの?』

『ルージュ殿からヴァイオレット様の元気がないと聞きまして皆で心配していたのです』



ガリアがそう言うと子供達がヴァイオレットの元にやってくる



『ヴァイオレット様元気出して?』

『これ皆で集めて作ったの。受け取って』



子供達が作った物は花飾り

手に取ると花のいい香りがして心が癒されたような気持ちになった

子供達の純粋な善意を受け取りヴァイオレットは少し元気が出た



『ありがとう、凄く嬉しいよ』



笑顔で子供達に感謝を述べると今度はガオウ達人狼族の者達がゾロゾロとやってきてヴァイオレットの目の前に次々と料理や果物を運んできた



『皆で色々と食材を集めてきたんだ。たくさん食ってくれよな』

『こんなにたくさん……皆ありがとう!』

『よぉし!今日はパーッと盛り上がろうや!』

『宴だ宴!』



それからヴァイオレットは皆と飲んで食べて大騒ぎした

宴が終わった頃にはすっかり元気を取り戻すことができ仲間達に感謝した



『はぁ楽しかった』

『元気になってよかったよ』

『ルージュが皆に話してこんな催し開いてくれたんだ。気遣わせちゃってごめんね』

『何言ってるの、僕達は友達なんだから当たり前でしょ』

『そうだね、ありがとう。色々考えたけどやっぱり私はここが好きだし今更離れる気になんてなれないや。だから決めた、エリザちゃん達とちゃんと話す。私は一人じゃないから大丈夫だって』



対面した時上手く話せるかは分からない

それでもモヤモヤした気持ちをずっと残したままではいられないと思ったヴァイオレットは再びエリザ達と会うことを決めた



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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