拒絶
魔物の群れに襲われているエリザ達を助けたヴァイオレット
シェリアが怪我をしたのを見てつい反射で助けてしまったが、助けた後は我に返りどう接すればいいか戸惑い喋れなくなってしまう
そこにミーシャが近寄ってくる
『本当にここにいた……久しぶりねヴァイオレット』
『ミーシャちゃん……』
蘇るあの時の記憶、それを思い出すと胸が締め付けられるような感覚に陥る
そこへミーシャが更に近寄ってきて触れようとしてきたのでヴァイオレットは反射的にそれを拒んだ
『こ、来ないで!』
『な……ど、どうしたのよヴァイオレット』
拒まれたミーシャは一体どうしたのかといった表情で見つめてくる
その様子を見てヴァイオレットは素っ気なくミーシャに接した
『こんなところまで何しにきたの……?』
『なにって……決まってるでしょ。あんたを探しに……』
『私なんか友達でもないのに……?』
ヴァイオレットの言葉をミーシャは全く理解することができなかった
ミーシャがヴァイオレットと最後に言葉を交わしたのは魔闘大会の時で、そんな態度を取られる覚えなど微塵もない
鬱陶しいくらい付き纏ってきていたヴァイオレットの変貌に今度はミーシャが戸惑いを見せた
『何言ってるのヴァイオレット……?』
『それはこっちのセリフだよ。先にもう友達じゃないって言ってきたのはそっちでしょ……』
『ちょっと待って、私があなたに……?何の事を言っているのかサッパリ分からないんだけど』
身に覚えがないミーシャはヴァイオレットにそう言い放つが、あの事をなかったかのように話しているのを見てヴァイオレットは語気を強めた
『ふざけないでよ!私がどれだけ傷ついたと思ってるの!?』
『落ち着いて下さいヴァイオレットさん』
『エリザちゃん……』
ヴァイオレットは確認することができなかったエリザの安否をこの目で見ることができ昂っていた感情をどうにか落ち着かせるが、それでもこれ以上この場にいたら酷い言葉を言ってしまいそうだったのでエリザ達の元を離れることにした
『ここまで来てくれて悪いけど私はここで皆と暮らしていくことに決めたから』
『ここにって……それに皆と暮らすってどういうことですか?』
『そのままの意味だよ。とにかくこれ以上皆と話すこともないし戻る気もないから……だからもう帰っていいよ』
『ヴァ、ヴァイオレットさん……』
『ちょっと待ちなさいよ!』
話を無理矢理終わらせ去ろうとするヴァイオレットをミーシャが引き止めようとしてくるが、その間にルージュが割って入り威嚇する
『これ以上ヴァイオレットを苦しませるなら僕が許さないぞ』
『っ……!』
ルージュの威圧にそれ以上動けなくなるミーシャ
ヴァイオレットはそれを横目にルージュに乗りエリザ達の元を去った
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