再会
プリローダから聞かされた海からやってきた人間達の様子を見にルージュに乗って向かうヴァイオレット
『ヴァイオレット大丈夫?』
『うん、大丈夫だよ』
心配してくるルージュに向かって気丈に振る舞うがやはり道中は穏やかなものではなかった
もしやってきた人間達というのがエリザ達だったとしたら一体どんな目的でここに来たのか、自分を追ってきたのだとしたら何をしてくるのか
特にミーシャとの最後の記憶はヴァイオレットにとって思い出したくない出来事なので、やって来たのがエリザ達ではないことをただただ祈った
『大丈夫だよ!何かあっても今度こそ僕が守ってあげるから!僕だってガルディアス達の特訓してて前より強くなってるんだからね』
『ありがとうルージュ』
ルージュに励まされながら暫く上空を進んでいると、遥か遠くの前方から煙が上がっているのが微かに見えた
『あれ、あそこ煙が上がってるね』
『んーどうやらちょうどあそこに人間達がいるみたいだねぇ』
『焚き火でもしてるのかな?とにかく行ってみよう』
煙が上がっている場所を目指して向かうヴァイオレット達
近くまで来たところで姿が隠すことができる魔法インビジブルを全員にかけて様子を窺う
するとそこには魔物の群れに囲まれて苦戦している数人の人間がいるのが見え、その者達はヴァイオレットの会いたくない者達であることが分かった
『うわっ、やっぱりあいつらだったね。こんな所まで来てヴァイオレットを追ってきたのかな』
『ど、どうだろう……』
『何?あの人間達ヴァイオレットちゃん達の知り合いだったの?助けてあげよった?』
プリローダの言葉にヴァイオレットは頷くことができなかった
以前であれば即答だっただろうが助けた後の事を考えると容易に頼むことはできなかった
そうこうしているうちにエリザ達はたくさんの魔物に襲われていた
『なにこの森!ちょっと奥まで進んだら次から次へと魔物が襲ってきてキリがないんだけど!』
『キャアッ!』
『シェリアさん!』
茂みから突然現れた魔物に反応ができず怪我を負ってしまうシェリア
それを見てヴァイオレットはいてもたってもいられずエリザ達を助けることを選択した
戦闘を繰り広げている魔物の後方から奇襲を仕掛ける
『なに今の!?』
あまりの速さに目で追うことができないでいるとエリザ達を包囲していた魔物が次々と吹き飛ばされていく
呆気にとられているとあっという間に魔物は倒されていき、残りの魔物は逃げて行ってしまった
そしてエリザ達を救ったヴァイオレットがゆっくりと空から下りてくる
『……ヴァイオレットさん?』
『久しぶり……』
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