ユーレシカ大陸到着
『着いた……ここにヴァイオレットさんが……』
クラーケンを突破した後エリザ達は順調に航行を続けた
あの後クラーケンが追って来ないかと警戒を怠らなかったが、その心配は杞憂に終わりヴァイオレットがいるという大陸に到着した
タッカは錨を下ろし船を停泊させると工具等を取り出しクラーケンにやられた箇所を補修し始めた
『俺はここで船の補修をしているからあんた達は用事を済ませてきな』
『ありがとうございます』
工具の他にちゃっかりバーベキューコンロまで出している
恐らくエリザ達がいなくなった後一人でゆっくりクラーケンの触手を焼いて食べるのだろう
準備を済ませて船を降り砂浜へと着地、先に周囲の確認を任せていたミリアーナが感慨深そうな表情で先にある森を眺めていた
『帰ってきた……帰ってこれた……』
『ここがミリアーナさんの故郷で間違いないんですね』
『はい、この森のずっと奥に私の仲間がいます。それとヴァイオレットさんも』
『そうですね、行きましょう』
ミリアーナのいうエルフの里がある場所はここからかなりある
道を知っているミリアーナがいるから迷うことはないだろうが道中に魔物が出てくるだろうからまだまだ長い旅は続きそうだ
ミリアーナを先頭に森の中を歩き続けたエリザ達一行、半日程歩いたところでミリアーナがある異変に気づいた
『どうかしましたか?』
『私の気のせいかもしれませんけどこの先前はもっと道が荒れていて歩きづらかったのになんだか整地されているみたいで……』
『確かに。明らかに誰かがやったような痕跡ねこれは』
『ミ、ミリアーナさんのお仲間さんですか?』
『いえ、私達は基本里から遠くまで離れたりすることはないので違うと思います』
『となると別の誰か……ここにはどんな種族がいるんですか?』
『えっとリザードマンやナーガ……それと人狼族に鬼人族がいますね。でもどの種族もこんなことをするようには思えませんね。彼等には縄張りみたいなのがあって互いにそこを踏み込まないようにしてるので』
そうなるとわざわざこんな事をする人物は限られてくる
だが確証がないので誰もその名を口にすることはなかった
そしてヴァイオレットのいる大陸に到着してから一日目の夜がやってきた
『どうぞ、森で採れたキノコを使ったスープです』
『ありがとうございます。はぁ……あったかくて美味しい』
『ねぇミリアーナ、あなたの里まであとどれくらいあるの?』
『そうですね、ここからだとあと大体五百キロ位はあるかと』
『ごひゃ……!今日一日で何キロ位歩いたのかしら……』
途中から整地されていた道を歩いていたがそれまでは獣道のような道を歩いていたので一日歩き通しで進んだのが十キロ程度
単純に二ヶ月近くかかる計算で気が遠くなる思いになるのであった
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