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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
175/342

緊急脱出

目的であるクラーケンの触手を入手したエリザ達は脱出を試みる

だが今まで動きが鈍かったクラーケンの動きがここにきて活発化し始め無数の触手が船を襲った



『どうやら正気に戻ったみたいですね!タッカさんまだ出せませんか!』

『もう少しで準備が終わるからどうにか耐えろ!』

『耐えろって言われても……こんな無茶苦茶な攻撃どうすれば……』



触手を海面に叩きつけられる度に船が転覆しかける程傾き海水がエリザ達を襲う

まだお酒の効力が残っているのか狙いが上手く定まらず攻撃は船への直撃は免れているがそれもいつまで続くかもわからない

魔法で攻撃をするがその程度ではビクともしない。いつの間にか爆発させた部分の触手も再生していて無傷の状態に



『きゃあ!』

『ミリアーナさん!』



船が揺れた衝撃で海に落ちかけるミリアーナの手をエリザが間一髪のところで掴み、ずぶ濡れになりながらもなんとか船へと引き戻す



『はぁはぁ……』

『助かりました……ありがとうございます』

『お礼を言うのは後です。さぁ立って下さい』



止むことのないクラーケンの攻撃、ミーシャ達が協力して船に当たりそうな触手の攻撃をギリギリのところで防いでいるが負傷もしていて限界が近い

クラーケン相手にこれ以上持たせることはできない。そう思った矢先にタッカの声が聞こえてくる



『準備ができたぞ!全員振り落とされないようしっかり掴まってろよ!』



その声に全員が反応しすぐさま近くの物にしがみついてその時に備える



『この状態からどうやって逃げるんですか!』

『前にもクラーケンに遭遇したことあるって言っただろ。その時もこれで逃げ切ったんだ』



タッカが総舵輪の横にあるレバーを引くと船の後方から異音が聞こえてくる

何が起こっているのかと確認しに行ってみると船尾部分が開いていて、そこから筒状の大砲に似た物体が出現していた

そこから凄まじい熱気を感じるや否や船が一気に加速し始める

体勢を維持することができず掴まっているだけが精一杯な状態、そこにクラーケンの攻撃が迫るが既の所で躱しどうにか離脱に成功する

僅か十数秒でクラーケンに襲われていた場所は遥か遠く、クラーケンが追ってくる様子もないことを確認してからエリザ達はようやく体から力を抜き安堵することができた



『はぁ……な、なんとか生きて抜けれましたね』

『もう二度とこんな事やらないわ』



攻撃の直撃を避けることはできたが船はボロボロ、たまたま運が良かっただけで沈められてもおかしくはなかった

同じことをやれと言われても全員絶対に首を縦には振らないだろう



『それにしてもあの急加速の装置はなんだったんですか?』

『あれは俺が独自で開発したものでな、火を点ける魔道具をいくつも使って燃料を燃やしてそこから発生させたガスを勢いよく噴射させることで一時的に超加速させてるんだ』

『そんなことができるんですか』

『一回限りで使ったら壊れて作り直さなきゃいけないんだがな。まぁ何はともあれ俺の望みを叶えてくれたんだ。今度は俺があんた達を連れて行ってやるよ』

『ありがとうございます』



クラーケンとの戦いで心身共に疲労したエリザ達はタッカに任せ大陸に着くまでの間休息を取ることにした



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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