海水浴
クラーケンを仲間に引き入れた後ヴァイオレットはカラミティに戻り数日して再び海に戻ってきた。今回は仲間を引き連れてきての大所帯でだ
ここ最近ずっと働き詰めだったのガリア達を見兼ねて休息日をとることにし海に遊びに来た
『皆お疲れ様、今日は働くことは忘れて思いっきり遊ぼう。海水浴だよー』
『すみませんヴァイオレット様、かいすいよく?というのはなんでしょうか?』
『え?えーっと海水浴っていうのは海で遊んだり砂浜で球遊びしたり?あっあとお肉焼いて皆で食べたり……かな?とにかく好きに遊んでいいんだよ』
正直なところヴァイオレットもよく分かっていない
自分がシオリの記憶で見た光景を真似したくなったからというのがもう一つの目的である
そしてその記憶の中で見た人達は皆海では専用の下着を身に着けていた。シオリが言うには水着というらしい
下着と何が違うのか、何故わざわざ着替えるのかはよく分からないしどうせ濡れるのなら全裸でも構わないのではとは思ったがそれを着るとテンションが上がるのだとか
なのでシオリと話し合って頭の中に思い浮かんだ形をノットに伝え作ってもらった。勿論仲間達の分も用意してある
『よーし、じゃあ早速泳ごうっかなぁ』
海に入り暫く泳ぎ続けるヴァイオレット、しかしこれでは川で泳いでいるのと何ら変わりがない事に気づく
『うーん、ただ泳いでるだけじゃ面白くないね』
『ヴァイオレットー、海の中に潜ってみなよー』
『海の中?』
海中から顔を出してきたルージュに言われ海の中に潜ってみる
そこはヴァイオレットが思っていたよりもずっと綺麗な場所だった
見たことのない魚の群れ、光の反射によって光り輝く不思議な形をした樹木のような物体。そこには幻想的な景色が広がっていた
『ぷはぁっ!凄い綺麗だったねぇ、海の中ってこんな風になってるんだ』
『ねぇどこまで深く潜れるか勝負しようよ』
『いいね、よーい……ドン!』
その後ヴァイオレット達は海中探索を満喫した
他にも球を使って地面につかないように打ち合うバレーという遊びや砂浜で精巧な城を作ったりして時間を過ごした
仲間達も思い思いに時間を使って日々の疲れを癒していると、何の前触れもなく海の中からクラーケンが姿を現した
『うわぁ!なんだあの化物は!』
『あぁごめん、皆にはまだ話してなかったっけ。大丈夫その子は私達の新しい仲間だから。名前は……クラーケンだからクラちゃんでいっか』
どうやら自分達が騒いでいるのを聞きつけて挨拶に来たようだ
そしてヴァイオレットの前に触手を伸ばしてきたので見てみるとなんと獲れたての海の幸が大量に握られていた
『これ私達の為に獲ってきてくれたの?ありがとう!』
クラちゃんのお陰で夕食は豪華なものとなり、全員リフレッシュして帰ることができた
今はまだ発展の真っ最中なので何日ものんびりと過ごすことはできないが、道が整備されたら観光地の一つとなってくれるだろう
ご拝読いただきありがとうございます!
ブクマ、評価感想等々頂けると励みになります
隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!