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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
167/342

視線の正体

エリザ達が港にやって来てからもうすぐ一週間が経とうとしていた

あれから皆で港付近にいる魔物をコツコツと倒し続けたお陰で漁師達は魔物の心配をすることなく漁に出られるようになった



『大分足止めを食らってしまいましたがようやく向かう事が出来ましたね』

『ほんと船を出してくれる人が見つかって良かったわ』



エリザ達の活躍を知った漁師の一人が目的地である場所に小舟で行ける距離までなら船を出してもよいと名乗りを上げてくれた

軍用艦船ではないただの船なので当然戦闘には適していないが、長年この海で漁をしている漁師にはどこを通れば安全かが頭の中にしっかり入っているようなので道中魔物と遭遇することはなかった

風に当たりながら海の景色を見つめるエリザ、そこにミリアーナがやってくる



『エルザさん、お話があるんですが』

『どうしました?』

『実はエルザさんが探しているヴァイオレットさんという方……多分私の故郷にいると思うんです』

『それは本当ですか?』

『実は王都を発った時から薄々気づいてはいたんです。あの港にも一度来たことがあります。でもそれを言ったら私がただ故郷に帰りたいが為にエルザさんを利用しているのかと思われるのが怖くて……』



そうなったら自分だけ置いて行かれてまたユリウスの元に戻ることになると思ったんだそう

当然エリザはそれを聞かされてもミリアーナを共に連れて行くだろうが、それだけユリウスの行われてきた事が酷かったのだろう



『ミリアーナさんの故郷だというのならよかったですね。ここまで来ればユリウスも手は出せないでしょうしあなたは自由の身ですよ。仮にそこでヴァイオレットさんが見つからなかったとしても私達はあなたを責めたりはしませんので安心して下さい』

『エルザさん……ありがとうございます』



胸のつかえがとれたミリアーナは笑みを浮かべ目には涙を浮かべていた

そこに何故か浮かない顔をしたミーシャやってくる



『エルザ、ちょっといい?』

『ミーシャさん何かありましたか?』

『いやなんだがさっきから凄く嫌な気配を感じるの。ずっと誰かに見られているような……』

『誰かというのは私達以外でいうとあとは船員の方々ですか?』

『その人達でもない……別の場所からこの船を見てるような……』



そう言いかけた刹那、突如船が大きく揺れる

天候も荒れていない穏やかな海、船が座礁するような場所でもない



『おい!何が起こった!』

『わ、分かりやせん!』

『もしかして魔物か?いやだがこの船を揺らす程の魔物なんてこの辺りにゃ……』



船長が話しているともう一度船が大きく揺れる

自然現象などではなく明らかに何者かが船に体当たりをしている



『一体何が起こって……』

『……来るよ!』



ミーシャの声とほぼ同時に海中から山のような物体が姿を現す

エリザ達が乗っている船が小舟に思えてしまう程の大きさ、それを見た船長が震える声で叫んだ



『く、クラーケンだ!!!』



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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