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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
154/342

譲れない勝負

ガルディアスとルージュの戦いは長期に渡って繰り広げられた

自分よりも威力の高いガルディアスの息吹を耐え抜き続けるルージュ、余裕を見せていたガルディアスの方もルージュのしぶとさに焦りの色を見せ始めていた



『まさかここまでやるとはな……』

『そっちもね……』

『正直見くびっていたがもうそろそろ限界だろう。ここまで戦ってきた貴様に敬意を表して俺様の渾身の一撃で沈めてやる』

『絶対耐えてやる!』



これまで耐え続けていたルージュだが既に体はボロボロ、それを察してガルディアスは勝負を決めにきているのだろう

一層溜めの長い一撃、ガルディアスの口からそれまでの比ではない竜の息吹がルージュを襲った

蓄積されてきた傷が開いていき血がヴァイオレット達の方まで飛んでくる

ガルディアスの息吹はルージュを殺す勢いで放たれている。ルージュをちゃんとした敵として認めた証でもある

耐え切った場合の事を一切考えていない一撃、この攻撃を乗り切れば勝機が見えてくるかもしれない。しかしどうにか耐え切って欲しいというヴァイオレットの気持ちとは裏腹に息吹の中から現れたルージュは力無く倒れていた



『ルージュ!』

『いい戦いぶりだったぞルージュとやら。俺と同じ位まで成長していたらもっといい勝負が出来ていただろうな』



奮闘はしていたが勝つことができなかったルージュ……かに思えたが、倒れていたルージュはピクリと動き次の瞬間には立ち上がってみせた



『まだ……僕はやれるよ……』

『しぶとい奴め……こい!貴様の攻撃を受けて次で仕留めてやる!』



立ち上がることはできたもののルージュはフラフラで立っているのがやっとなほど。これでは相手にまともに攻撃を与えることができない

それでもルージュは歯を食いしばりながらガルディアスに向かって息吹を放った

だがやはり始めの頃より勢いが弱まっている



『やっぱりもう限界が……』

『よく見てみろ主』

『え?』



二フリートに言われルージュが放つ息吹を見ていると、赤色だった炎が段々青色へと変色していきこちらまで熱気が伝わってきていた

その攻撃をくらったガルディアスは先程までとは違う様子を見せていた

それを見ていた二フリートが解説し始める



『竜は体全体が硬い鱗に覆われている。ルージュはそれをずっと同じ場所を狙い続けることで徐々にダメージを蓄積していきガルディアスの硬い鱗を破壊しようとしていたようだな』



ガルディアスの方に注目してみると確かにある部位の鱗にヒビが入っていた

ルージュは普通にやっては勝てないと悟り、それでも勝つ為に今話していた策を思いつき行動に移していたのだ

最後の力を振り絞った超高温の息吹、弱まっていた威力も徐々に上がっていきガルディアスが押され始めていた



『ぬおおお!!』

『僕が……僕が絶対に勝つんだー!』



ルージュの攻撃を耐え続けているガルディアスの方から何かが割れるような音が聞こえてくる。ルージュがずっと狙っていた箇所がボディブローのように効き遂に鱗が壊れたようだ

その機を逃さずルージュは勝負を決めにいった。やがてルージュの攻撃が止み二人の間に静寂が訪れる

苦悶の表情を浮かべながらも立っているガルディアス。全ての力を出し切りフラフラなルージュ

残念ながら倒し切ることが出来ず悔しさを表情に出すルージュはそれでもまだ勝ちを諦めずガルディアスの攻撃を受けようとする

ガルディアスも勝負を決めに行こうと息吹を放つ体勢に入ろうとする。しかしそこでガルディアスとルージュが同時に意識を失い倒れてしまった



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿で最新話を更新していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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