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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
145/342

捜索難航

ヴァイオレットが王都シャンデラを離れた後第一王子であるユリウスが捜索の任を請け負い、奴隷として飼っていたエルフを使ってヴァイオレットの居場所を突き止めようとしていた

しかし王都を出てから約一ヶ月、ユリウス達は未だヴァイオレットの居場所を特定することができずにいた

それによってユリウスの苛立ちは日に日に増していっていた



『おい、まだ犯人の居場所を見つけることができないのか』

『も、申し訳ありません……私ができるのはその者の過去の痕跡を辿ることだけで現在どこいいるかまでは分からなくて……』

『言い訳をするな!まさか貴様わざとやっているんじゃないだろうな。だとしたらまたお仕置きが必要だな』

『そ、そんなことはありません……!頑張りますのでどうかお仕置きだけは……』

『ふんっ役立たずが、いつもの時間に俺の部屋に来い。分かったな』



苛立ちを解消するには暴力を振るうのがユリウスにとって一番の解消法、だが見た目だけはいいエルフの女を痛めつけるとあとで楽しむ時に支障が出るのでできるだけ控えるようにしていた

だがこの苛立ちを誰かにぶつけないことにはスッキリすることができない。そんなところに同行していた兵士達の声が聞こえてくる



『なぁ、こんな探し方で見つかるのか……?犯人を見つけられるどころか手がかりすら見つけられないじゃないか』

『本当になぁ。殿下の我儘に付き合うのも楽じゃないぜ』



奴隷であるエルフに頼りきりで自分では何もしていないユリウスに振り回され不満を募らせていた兵士達の陰口、それを偶然聞いてしまったユリウス本人は兵士達の元へ向かった



『随分と楽しそうに話しているじゃないか。俺も混ぜてくれないか?』

『あ?あっ……ユリウス殿下……がはっ!』



兵士が気づいた瞬間にはユリウスの拳が顔面を直撃していた

陰口を聞かれてしまった兵士は殴り飛ばされた後すぐさま謝ろうとする



『かはっ……!も、申し訳ございません殿下!』

『何が申し訳ないんだ?言ってみろ』

『ぐえっ……お、おやめくださ……ぐふっ!』

『なんだ、ハッキリ言わないと分からないぞ』



そう言いつつもユリウスは殴るのをやめなかった。自分のストレスを解消するのにちょうど良い口実ができたのに簡単に手放すはずもない

周りにいた兵士は止めたい気持ちはあっても王子にたてつくことなんて出来るはずがなかった



『ふぅ……これ以上やると流石にまずいな。他に俺に文句を言いたい奴がいれば聞いてやる。出てこい』



返り血を顔に浴びた状態で他の兵士達に睨みを利かせるユリウス。その場にいた兵士は沈黙を貫いた



『フンッ、まぁいい。俺はもう寝る。お前達も明日に備えてしっかり休んでおくんだな』



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― 新着の感想 ―
[一言] ユリウス王子、スカーレットを見つけるけど、別大陸でスカーレットにボコられた後兵士に刺されて地獄に落ちそう!
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