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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
126/342

過去の因縁

『貴様と我とで一騎打ちだと?正気で言ってるのか貴様』

『勿論、私が勝ったら人狼族を解放してもらうよ』

『つまり貴様はこの我に勝つつもりでいるということか。人間風情がこの我に!』



自分が舐められていると思ったのか翡翠の竜は怒りをむき出しにしてヴァイオレットに詰め寄って来た

間近に感じる竜の圧は今まで戦ってきた相手が可愛く見える程凄まじく、油断をすればすぐ命を取られてしまいそうな感覚に陥る

いつ攻撃を繰り出されてもおかしくない状況、そんな中翡翠の竜もヴァイオレットからあの気配を感じ取った



『さっきからずっと放っていたこの気配……思い出したぞ。貴様あの忌まわしい竜の回し者か?』

『あのってイグニス……私のお父さんのことを言ってるんだよね』

『お父さんだと?あの傍若無人で唯我独尊なあ奴に人間の子供だと?気でも狂ったのか』

『あなたは私のお父さんと知り合いなの?』

『あぁ、数百年前我に消えない傷を与えた憎き相手だ』



そう言うと翡翠の竜はおもむろに二足歩行になり自身の胸骨部分を見せてきた

竜の喉元近くに鋭利な爪で抉られたような傷が斜めに入れられており、そこは竜の逆鱗と呼ばれている急所部分であった



『何故この傷をつけられたか教えてやる。あいつはな……我が前に住み着いていた場所に突然やって来たと思ったら突然「この場所が気に入ったから出ていけ」とか言って我に襲いかかってきたんだぞ!』



どうやらこの竜はヴァイオレットが育ったあの森で以前生活をしていたらしい

それをあとからやって来たイグニスに奪われたと……この話が本当だとしたら確かに可哀想ではある



『なんというか……お父さんがごめんね?』

『この傷をイグニスにつけられたせいで我は本来の力を出すことができなくなった……貴様を見ていると昔の忌まわしい記憶を思い出す』

『でもそっか……あなたお父さんに負けたんだね』

『……何が言いたい?』

『いや、それなら私でも勝てるんじゃないかと思って』



ヴァイオレットがそう言い放ったその時、翡翠竜の前脚が目の前に現れたと思ったら次の瞬間にはヴァイオレットは木に衝突していた



『ヴァイオレット!』

『いたた……大丈夫大丈夫』



声を荒らげるルージュ

虚をつかれた形ではあったがあまりの速さに防御するので精一杯だった

本来の力が出せないとか言っておいてこれだけの威力を軽く出してくるのだから流石竜といったところ

しかし挑発は上手くいったようだ



『人間風情が調子に乗りおって……その傲慢さもあ奴譲りか。一騎打ちをしたいと言っていたな人間。いいだろう、この傷をつけた報復として貴様を八つ裂きにしてその骸をあやつの元に送ってやる。万が一にもありはしないが我が負けたら貴様に忠誠でもなんでも誓ってやる』

『言ったね、あとで後悔しないでよ』

『ほざけ、後悔するのは貴様だ』



ご拝読いただきありがとうございます!

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