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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
124/342

戦う覚悟

拘束した人狼族達を村に連れて帰ってきたヴァイオレットは他の者達に人狼族の監視を任せ人狼長と話を始めた



『さてと、じゃあ聞かせてもらおうか。っとその前に拘束を解いてあげるね』

『おいおいいいのか拘束を解いちまって?さっきはあんなことを言ったが隙を突いて逃げるかもしれねぇぜ?』

『この状態じゃ話し辛いじゃん。それにあなただったらこんな拘束解こうと思えばいつでも自力で解けたでしょ?』

『お見通しってわけか。で、何の話をするんだったっけか』

『ルージュ……ここにいる竜の他にも竜がいるみたいなこと言ってたけど本当なの?』

『あぁ、俺らはその竜に命令されて他の奴らを襲ってたんだ』



戦う前に気が進まないと言っていたのはそういう理由があったからか

お父さん(イグニス)お母さん(バシリッサ)の他にも竜がいることは聞いていたが、どんな竜がいるのかまでは聞いていなかったな



『反抗はしなかったの?』

『そりゃあ最初はしたさ。だが俺らとあいつじゃ圧倒的に力の差があってどうすることもできなかった。しかもあいつ卑怯なことに小さいガキや女を人質にしやがったんだ』

『だから言う通りにするしかなかったってことか』



確かに仲間を人質にされている状態では従う他ない

その竜は随分と(こす)いやり方をするんだな

もしかして他の部族が攻撃的になっていたのもその竜がこの森に来たのが原因なのだろうか?



『悪いことはいわねぇ、あんた達もさっさとこの森から逃げた方がいいぜ。あの竜は歯向かって来る相手には容赦ねぇからな』

『そんなこと言われてもここ以外の場所の事なんて全然知らないし他の人達も今更どこかに移住するなんて考えてないと思うんだよね。うーん……竜はあなた達の住処にいるんだよね?』

『あぁ、俺達が暮らしてる場所はここからかなり離れてるがな。俺達に食料の調達をやらせて当の本人は一日中のんびり過ごしてるってわけだ』

『そっか……よし!私がその竜とっちめてくるよ』



ヴァイオレットはその竜とサシで戦うことを決めた

竜はプライドが高い奴が多いから挑発すれば簡単に誘いに乗ってくるという以前イグニスが話していたことを覚えている

上手くいけば人質にも手を出されないかもしれない



『正気か?あんたと戦って……記憶は殆どないがある程度の強さは理解しているつもりだ。だが竜を倒すのは流石に無理ってもんだろ』

『任せておいて。こうみえて私は竜と何度も戦ったことがあるんだから!……一度も勝ったことはないけど』

『ダメじゃねえか』

『まぁどっちみちこの村を襲おうとするなら戦うんだけどね。でも今回はあなたの仲間が人質になってるわけだし必ず全員助けられるって保証もない。このままその竜の言いなりになるか私に賭けるか、あなたに判断を任せるよ』



ヴァイオレットの言葉に人狼族の長は頭を捻らせた

下手をすれば人質が全員犠牲になってしまうかもしれないのだから無理もない

必ず勝つと言ってあげたいところだが相手は竜、そう安易な発言をすることはできなかった

暫らく考え込んでいた人狼族長は覚悟を決めた顔つきで答えを口にした



『分かった、あんたに全て託すぜ』

『決まりだね、それじゃあ夜が明けたら出発しよう』



ご拝読いただきありがとうございます!

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