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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
123/342

勝利

満月の光を浴びたことで姿が変えた人狼族の長が理性を失い暴れ始めてしまった

確かに力はさっきまでとは比べ物にならない程上がっているが、攻撃が出鱈目すぎて掠るどころか見当違いな場所を攻撃している



『うわわわ!もう、このままじゃ森が滅茶苦茶になっちゃうよ。どうにかして動きを止めなくちゃ』



周りに被害が出る前に止めたいところだが、暴れ回っているせいで迂闊に近づくことができない

魔法で攻撃しようとも考えたが今の状態の相手に生半可な魔法の攻撃を放ったところで止まるとは思えないし気絶なんて以ての外

強力な魔法だと誤って殺してしまいそうだしどう動きを封じるかと悩むヴァイオレット



『うーん……そうだ!スネアスワンプ!』



ヴァイオレットが選んだのは相手の動きを封じる魔法スネアスワンプ

通常戦闘中だとこの魔法を仕掛けても簡単に避けられてしまうが、理性を失っている今の相手の状態であれば引っかかるだろう

案の定人狼族長は自らスネアスワンプがある方へと突っ込んでいき、泥沼に足が嵌ると徐々に沈んでいった

脱出しようと必死に藻掻くが一度入ったら最後で、魔法を解除しない限り泥沼から脱出することはできず全身を飲み込むまで沈み続ける



『暴れれば暴れる程沈んでいく底なし沼だから大人しくしていた方が……って聞こえてないか。ごめんね、ちょっと眠ってもらう……よ!』



沼の中で暴れる人狼長に対しヴァイオレットは助走をつけて跳躍し眉間目掛けて思い切り拳を振るった

鈍い音と共に動きが止まり地に伏せる人狼族の長



『いったぁ、凄い石頭だなぁ。でもやっと大人しくなったみたい。さて、皆の加勢にいかないと……ん?』



人狼長は気を失ったのか元の姿へと戻っていった

人狼族の長を止めることはできたがまだ戦いは終わっていない

息つく暇もなく仲間の援護に行こうとした瞬間、仲間達が戦っていた方から歓声が上がった

声のした方を見てみるとルージュ達が人狼族の群れ全てを完全に制圧し終えていた



『私が手を貸す必要もなく無事に終わったみたいだね。よかったよかった』



互いに負傷者は出たものの、両者に死者が出ることなくヴァイオレット達は無事に勝利を収めることができた

ノーム達の罠も大活躍してくれたようで罠に掛かった人狼族も結構いたようだ

人狼の群れがまた暴れ出さないよう動けないように拘束、するとその最中に気を失っていた人狼長の意識が戻った



『うっいってぇ………ってなんだこれどうなってんだ』

『あっ、もう目覚めんだ。結構強めに殴ったんだけど頑丈だねぇ。あんな無茶苦茶な技使うからビックリしたよ』

『まさかまた暴走しちまったのか……すまねぇな助かった』

『まぁそれは全然気にしてないけど。約束通り色々聞かせてもらうよ。あと大丈夫だと思うけど一応拘束はさせてもらうね』

『こっちは敗者で拒否権はねえよ。好きにしな』



潔く負けを認めた人狼族の長を沼から解放し、ヴァイオレット達は話を聞く為に人狼族を連れて村へと帰還した



ご拝読いただきありがとうございます!

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