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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
122/342

人狼族の長

相手大将との戦い。仲間達に周りの敵を任してヴァイオレットは目の前の相手に集中する

他の相手に効いていたイグニスのお守りは目の前の相手には効いていない様子、恐らくこのお守りは一定のレベルを超えてくると通用しないのかもしれない

離れた場所からでも威圧感はあったが、目の前で対峙するとその迫力は中々のものだった



『お前がこの群れのボスだろう』

『言葉通じるんだね。そう、私が一応長をやってるよ』

『やはりな、お前だけ他の奴等と明らかに臭いが違うからすぐ分かったぜ。だがノーム族にお前のような奴はいなかったな。他にも鬼人族やリザードマンにナーガ……用意周到に罠まで仕掛けてるってことはノーム族の助けに応えてやってきた他の部族の集団か』

『この先には私達の村があるからね。今から退いてくれるんならこっちは何もしないんだけどな』

『そいつはできねぇ相談だな。俺も気は進まねぇがこっちにも退けない理由があるんだよ』



戦う能力のないノームを襲う程だからもっと野蛮な種族なのかと思っていたが、話しているとそのイメージとは少し違うように感じた

それに口ぶりからして自分達の意志で戦いにきたというわけではなさそうに見える



『しかしまだ幼いとはいえこんなところにも竜がいるとはな。それにお前から放たれているその気配……まさかとは思うがお前らもあの竜の手下なのか?』

『何の話?あの竜?ルージュ以外にも竜がいるの?』

『その口ぶりからして関係はなさそうだな……その質問は俺に勝ったら教えてやるよ。仲間がやられっぱなしじゃこっちの腹の虫が治まらねぇからな。相手してもらうぜ』

『なんだかよく分からないけど元からそのつもりだったしいいよ、相手してあげる』



人狼族の長は地面を強く蹴り上げると巨体に似つかわしくない速さでヴァイオレットに向かってきた

右から繰り出される鋭い爪の攻撃がヴァイオレットの髪を掠めるがなんなく躱す

背後にあった木がその一撃によって切り倒される。その断面はまるでバターを切ったかのような切れ味で普通の人間がまともにくらったらひとたまりもないだろう



『俺の速さについてこれるとはやはり只者じゃないな』

『まぁこれ位ならね。それにしても凄いねその爪』

『だろ?俺の自慢の爪なんだ』

『流石に生身の体のままじゃやばそうだね。"堅牢化(デュアラビリティ)"』



ヴァイオレットは自身に防御力向上の魔法をかける



『ふん、その魔法ごと切り裂いてやるぜ』



人狼族長の攻撃が激化する。一撃が非常に重く攻撃を受け止める度に骨が軋み体が地面に沈み込んでいく

だがヴァイオレットもやられっぱなしではない。攻撃してきたタイミングギリギリで避けると同時に相手の腕を掴み巨体を放り投げる

しかし空中で上手く体を回転させて着地、ダメージを与えるまでには至らなかった



『中々やるね』

『お前こそな、だが俺様の本気はここからだ。今日の俺は誰にも止められねぇぞ……そろそろか』



そんなやりとりをしていると今まで雲に隠れていた月が顔を出した

見事な満月が二人を照らす。するとその月明かりを浴びた人狼族長の様子に変化が表れ始めた

全身の毛が逆立ち目の色が赤く変色、通常時でさえ大きかった体が更に大きくなっていく



『グルルルルル……』

『こっからが本番ってことかな?……ってうわっ!』



姿が変わったかと思ったら今度は突然闇雲に暴れだし始めた

しかも先程までヴァイオレットに集中していた攻撃が闇雲な攻撃に変わっている

正気を保てていないのは明らかだ



『誰にも止められないって自分でも止められないの!?それ使っちゃダメなやつじゃん!』

『ウオオオオオオ!!!』

『聞いたところで無駄みたい……止めるしかないね』




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― 新着の感想 ―
[良い点] 満月の夜になると強くなる。果たしてどうなるのか気になります!
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