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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
118/342

小さな来訪者

ヴァイオレットが村の長に就いてから数日が過ぎた

あの後長に就任したのを皆に祝う為の宴が行われ、一人一人からまだ拙い言葉ながらもこれまでの感謝などを述べられつつ夜が明けるまで盛り上がった

その宴の後からヴァイオレットの長としての日々が始まったが、ガリア達が言っていたように村長という役職に就いただけでこれまでと変わらない生活を送っていた



『よし、なんとか完成することができたね』



最後に残していた橋の作成を皆で協力し数日かけて完成させた

森で見つけた丈夫そうな蔦を幾重にも編み込み、橋を持ち上げ人力で自由に開閉することができる橋にした

巻き取り式の滑車みたいなのがあればもっと楽に橋を上げることができるんだろうが、残念ながらそんな複雑な物を作ることが出来る技術の持ち主はここにはいない

だが幸いなことにここにはパワー担当のアレス達鬼人がいるので、今のところはその力に頼らせてもらうことにした



『これで地上からはすぐ侵入されることはないよね。あとは空から敵が来たらどうするかだけど何かいい方法はないかなぁ……そういえば王都の周りには結界が張ってあるとかって言ってたような』



王都には上空からの敵に備えて強力な結界が常時張られている、という話を学校の授業で聞いたのをたった今思い出したヴァイオレットは脱獄時のことを思い返した

あれは外からの攻撃や敵の侵入、脱走を防ぐものらしく、もしあの時あのままルージュに乗った状態で外に出ようとしていたら結界に阻まれ捕らえられていたことだろう

そんな結界をこの村にも張りたいところだが、どういう仕組みで成り立っているのかは秘匿事項という理由で教えられていない

自分やその周辺だけならまだしも村全体となると守るのは難しくなる



『ガリアさん達にはああ言われたけどやっぱり任されたからには少しは村に貢献したいよね。どうにかできないかなぁ』



どうにか結界を張ることができないかと頭を悩ませていると、村の外の方で何やら声が聞こえてきた

様子を見に行ってみるとそこにはガリアと他数名が誰かと話しているようだった



『なになに、どうしたの』

『おぉ、ヴァイオレット様。今鬼人達が連れてきた彼らの話を聞いていたところだったのです』

『彼ら?』



ガリアの背後に目を向けてみるとそこには小柄な人達が立っていた

一見ヴァイオレットの膝辺りまでの背丈しかない子供かに見えたが、彼らは中年程度の顔つきをしており長い髭を蓄えていた

また見たことのない種族に彼らはなんだろうかと首を傾げながら見ているとガリアが続ける



『まだ全てを聞けたわけではないのですがどうやら彼らも住んでいた場所を追いやられたようなのです』

『また?この森って随分と物騒なんだね。分かった、ここで話すのもなんだし中に入れてあげて』



わざわざ村まで連れてきた鬼人とガリアの言っていた話を信じ、ヴァイオレットは彼らを村の中へと迎え入れ話を聞くことにした


ご拝読いただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] もしかするとドワーフかも知れませんね。色々種族が増えると楽しさを感じます!
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