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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
110/342

夢の続き2

シオリという夢に出てきていた女性の自宅とその母親の登場、シオリは母親が現れると咄嗟にズタズタにされてしまった髪を隠した

しかし背中辺りまであった髪がいきなり肩まで無くなっている状態を隠せるわけもなく、きちんと整えられていない髪を見た母親は当然黙ってはいなかった



(ちょっとどうしたのその髪)

(え、えっとこれは……自分で切ったの。大分長くなってたし手入れするのも大変だったから。でも自分で切るのって難しいね。あはは)



母親に気取られないよう精一杯の笑顔で嘘を吐く

それを見た母親は娘の目を暫くジッと見つめると悲し気な顔をしながら口を開いた



(ごめんね。私の体が弱いせいで中々ちゃんとした仕事が見つけられなくて……そのせいで美容院に行くお金も出してあげられないなんて。それに早朝と学校から帰ってきた後にバイトまで……)

(そんな事気にしなくていいよ。というかお金とか関係なくて私美容院って苦手だからさ、バイトも自分が好きでやってるだけだからお母さんのせいとかじゃないよ)

(本当にごめんね……せめてあの人から養育費だけでも貰えたら……)

(あの人のお金なんて必要ないよ。私は貧しくてもお母さんと二人で暮らしていければそれでいいんだ。あっそろそろバイトに行かなくちゃだから準備しないと)

(あっ待って、せめて髪を整えないと)



なんとか誤魔化すことができたシオリはその後母親に凸凹になっていた髪を綺麗にしてもらいバイトへと出かけて行った

髪を整えている間楽し気に話す二人、そんな二人のやりとりをシオリの視点でずっと見ていたヴァイオレット

存在しない記憶のはずである二人のやりとり、だが家を見た時同様このやりとりにも見覚えがあった

このまま夢が続けば何か手がかりを得られるかもしれない。しかしそこでシオリ視点だったのがまたいつもの俯瞰視点に戻り二人の姿は消えていってしまった

夢が醒め目を覚ますと目の前にはルージュがヴァイオレットの顔を覗いていた



『あ、起きた』

『ルージュ、どうしたの?そんなに私の見て。なんかついてた?』

『だってヴァイオレット、寝ながら泣いてたんだもん』

『え?』



ルージュに言われたことで自身の顔に手を当ててみると目から涙が溢れ出ていた

虐められていた時の恐怖の感情が原因か、はたまたシオリとその母親のやりとりに覚えがあり感情移入したからか

どちらにせよあの夢を見たのが原因なのは間違いない



『最近よくうなされてたりしてるけど大丈夫?心配だよ』

『大丈夫大丈夫、さっ朝ごはんにしよ』



ご拝読いただきありがとうございます!

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