共生
ナーガの族長をリザードマンの村へと連れてきたヴァイオレット達、そこでナーガ達の処遇を決める為の話し合いが行われた
ガリアはナーガ族長の言葉をそのままヴァイオレットに伝えてきた
『言い逃れしない。リザードマン襲う命じたの自分。だから自分の首、差し出す。その代わり、仲間許して欲しい……と』
『そっか、どうするかは仲間をやられたガリアさん達に任せるよ』
ヴァイオレットがそう言うとガリアは他のリザードマン達と暫く話し込んでいた
何を言っているかは分からないが時々怒声のようなものが聞こえてくる
意見がぶつかりあって揉めていたようだが、暫くするとガリアが今度はナーガ族長の方へと行き何かを話し始めた
そしてそれを終えるとガリアはヴァイオレットの元にやってきた
『ナーガ達、他の部族に前の住処襲われた』
『住処を移したのはそれが原因だったんだ』
『ナーガ族長の気持ち、分かる』
ナーガ達が行ったことは許せることではない
だがガリアももし自分も同じ立場だったら似たようなことを命じたかもしれないと言いたいのだろう
『それでどうするのかは決めたの?』
『今回ので仲間減った。だからナーガ族、引き入れる』
『そっか……まぁ私としてもこれからも争い続けるより皆で助け合って生きていった方がいいと思うしいいんじゃないかな。いきなり仲良くは出来ないだろうけど言葉が通じるんだしなんとかなるでしょ』
まだリザードマンの中にナーガと共生することをよく思わない者は当然いるだろうが、その者達を納得されるのはナーガ達の今後の行い次第だ
意見が纏まったガリアはナーガ族長を連れナーガの住処へと戻り先の内容を告げた
不満を言ってくる輩が出てくるかと思ったが意外にも皆すんなりとその案を受け入れていた
やはりこちらを意識しているなというのはヴァイオレット自身が一番感じ取っていた
ナーガ達全員を村に連れて来たらまず最初に寝床の場所を作るところからだ
使っていなかった家はいくつかあったが、規模が一気に倍以上になったので追加で建てなくてはならない
『もう日が傾き始めてるから簡単なのにしちゃったけどどうかな?』
『おぉ、一瞬で家できた。感謝』
ヴァイオレットは土の魔法アースウォールでナーガ達が入れる家を幾つか建ててあげた
簡素な家ではあるがリザードマン達が建てた物よりは丈夫だろう
全員分の家を建て終える頃にはすっかり日が沈んでしまっていたので、ナーガ達が洞窟で蓄えていた食料を分けてもらいそれで腹を満たしてから自身が建てた家で休息をとった
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