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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
102/342

遭遇

ヴァイオレット達が川を見つけそれに沿って探索を再開してから丸一日が経った



『ふぅ、今日はこの辺りで休もっか』

『はーい、ごっはんだごっはん~。ヴァイオレットお願いー』

『はいはい。よっと』



ルージュに催促されヴァイオレットは川に向かって出力を抑えた雷の魔法を放つ

すると川の中で泳いでいた魚の群れが一斉に浮かび上がってきた

この川には魚がたくさん泳いでおり、労せず食料を確保することができた

落ちている枝や葉っぱで火を起こし、獲った魚を枝に刺して炙っていく

いい具合に焼けてきたらその魚に途中で見つけた緑の柑橘系の果実を搾り垂らす



『うんうん、そのままだと淡白すぎてあれだけどこれならいけるかも』

『この木の実も酸っぱくて食べれたものじゃないと思ったけどこういう使い方もあるんだね。よく知ってたねヴァイオレット』

『自分でもよく分からないけどなんか合うと思ったんだよね。これで醤油でもあれば文句ないんだけどなぁ』

『しようゆ?ってなに?』

『あれっ?なんだっけ……なんかそんな調味料があった気がするんだけど……』

『変なヴァイオレット~』



無意識に口から出てしまった謎の言葉にヴァイオレット本人も困惑する

これもきっと例の夢のせいで眠れていないからだろうと思うようにした



『やっぱ寝ぼけてるのかなぁ。そうだ、水浴びでもしてスッキリしよ』



昨日の大雨で川の水は濁っていたが今は透き通っている

ヴァイオレットは食事を終えると目を覚ます為に服を脱ぎ捨て全裸で川へと飛び込んだ



『ひゃー!つめたーい!でも気持ちいい……ルージュも来なよ。気持ちいいよ』

『僕はいいや。こっちで魚食べてる』



前はヴァイオレットと同程度の食事量だったルージュだが、日々成長していくに比例して食べる量が増え今ではヴァイオレットよりもたくさん食べるようになっていた

竜は人とは成長の速度が異なり一年程度で成竜と同等の大きさに成長する

きっとルージュもイグニスのような立派な竜に成長するだろう

そんな事を考えながら川の流れに身を任せ漂っていたヴァイオレットだが、森の中から複数の足音がこちらに近づいてきているのを察知した



『魔物!?』



すぐさま臨戦態勢に入り迫ってくる相手を待っていると、ヴァイオレットの声に反応し現れたのは緑の鱗に覆われ尾を生やした二足歩行で歩くトカゲだった



『トカゲの獣人……?』



現れたのは十体程度。石槍の武器を持っていてこちらの様子を窺っているようだった

魔物ではなさそうだが何をしてくるか分からないので警戒を続けていると、一体のトカゲが喋りだした



『アグアガオグウオギゴガ』

『えっ?何?なんて言ってるの?』

『ゴギアエ』



言葉が通じないと分かると今度はジェスチャーも含めて意思疎通を試んできた



『えっとぉ……もしかしてついてこいって言ってるのかな?』

『怪しくない?』

『うーん……まぁなんとかなるでしょ。いざという時は逃げればいいし』



言葉は通じないもののここに来て初めて遭遇した生命体

多少のリスクを承知の上でヴァイオレット達はトカゲについていってみることにした



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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