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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
101/342

洞窟の先

連日森の中を進み続け既に十日程が経過した

行けども行けども一向に変わらない景色、定期的にルージュが上空から探索を行うも水平線の彼方まで大森林

その上今日の天気は地面を強く打ちつける程の大雨でヴァイオレット達は足止めをくらっていた



『うーん、これは当分止みそうにないね。都合良く洞窟を見つけられたし今日はここでずっと雨宿りかな』

『何もやることがないと暇だねぇ。ヴァイオレット眠たそうだね。また寝る?』

『いや……それはいいかな。ちょっと早いけどお昼にして残っている肉食べちゃおっか』



ルージュには明かしていないが、ヴァイオレットはあれからというもの毎晩同じような夢を見るようになっていた

眠りにつく度例の黒髪の女性を虐める酷さが増していき、夢を見る度にヴァイオレットも苦しむようになりそのせいでここ最近は寝不足が続いている

本音を言えば今すぐにでも寝たかったが、寝ればまたあの夢を見ると思うと迂闊に寝ることができなかった



『ごちそうさま。さてこれから何しよっか』

『そうだねぇ……ん?何か奥の方から音が聞こえてくるよ』

『何々……?本当だ、何だろうこの音。ちょっと見に行ってみよっか』



ヴァイオレット達がいる洞窟は奥深くまで続いており、そこから何かを引きずっているような音が聞こえてきた

やることもない二人は音の原因を探る為奥へと向かうことに

洞窟の奥はいくつもの道に分かれていて自然にできたというよりも何者かによって掘られてできたもののように思えた

もしかしたら何か手がかりが掴めるかもと期待し奥へ奥へと進んでいくが、その期待はすぐに打ち砕かれてしまう



『見てヴァイオレット、でっかい蛇がいるよ』

『なんだ、ただの蛇の魔物だったのか……期待して損しちゃった』



どうやらこの洞窟は蛇の巣穴だったようでヴァイオレットは残念な結果にガックリと肩を落とした

蛇の魔物は食後だったのか胴体の一部が丸い玉のようになっている

ヴァイオレット達の存在に気づくと蛇は鋭い牙を見せつけて威嚇してきた



『キシャアアアアアアア!』

『勝手に巣穴に入ってきて怒ってるのかな?うーん、蛇も美味しいけどさっきご飯食べたばかりだからなぁ。ここは逃げよう!』

『はーい』



倒したところでただ無駄な体力を使うだけと考えたヴァイオレットは、来た道とは別の道を通って蛇から逃げた

それを蛇が見逃してくれるはずもなくすぐさま追撃してこようとしていたが、丸くなったお腹が引っかかってしまったらしくすぐに振り切ることができた



『ここまで来れば大丈夫かな』

『そうだね……あっ、明かりが見えてきたよ。きっと出口だ』



ヴァイオレット達が入ってきた場所の他にも出入口があったようで二人は何事もなく外に出られることができた

外に出ると雨はすっかり止んでいてお日様が顔を出していた



『思っていたよりも早く上がったね。これなら移動できるかな』

『見てよヴァイオレット。川があるよ』

『本当だ。そういえば水辺の近くには人が住んでいるって習ったような……ただ森の中を闇雲に歩いてても仕方ないしこの川に沿って歩いてこっか』



雨宿りしていた蛇の巣穴のお陰で思わぬ収穫を得ることができ、ヴァイオレット達は下流に沿って探索を再開することにした



ご拝読いただきありがとうございます!

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隔日投稿していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

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